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『astah*』とは?製品の特徴や使い方を詳しく解説

コラム

掲載日:2023/03/01

『astah*』とは、株式会社チェンジビジョンが開発・販売するUMLモデリングツールです。今回は概要や特徴、製品についてご紹介します。使い方の例やライセンス情報も解説しているため、ぜひ参考にしてください。

『astah*』とは

『astah*』とは、ソフトウェア設計・開発の生産性や創造性を高められるUMLモデリングツールで、日本の会社である株式会社チェンジビジョンが開発、販売しています。また、UMLモデリングツールだけではなく、マインドマップエディタや内部統制サポートツールのソフトウェア製品群など、株式会社チェンジビジョンが提供するものの総称としても使われています。

なお、『astah*』の読み方は『アスター』です。『astah*』の旧名称は『JUDE(ジュード)』で、一部のエディションには『JUDE』の名称が残っています。

『astah*』の特徴

『astah*』の大きな特徴は、要求を図示できることと、ショートカットキーのカスタマイズができることです。それぞれの特徴をチェックしていきましょう。

要求を図示できる

要求を図示できることは、『astah*』の大きな特徴です。従来は、要求を文章で書くことが一般的でした。『astah*』の利用によって、要求を図示できることで、構造に着目しやすくなり、抜けや漏れに気付けることがメリットです。

また、表形式で要求を記述・管理する『要求テーブル』や、異なるモデル図に同じ項目がある場合につながりを図示する『トレーサビリティマップ』とも連携できます。要求と設計情報やテストケースとのつながりがよくわかるため、要求が変わった場合でも影響を受ける範囲を理解しやすいです。

ショートカットキーのカスタマイズができる

『astah*』には、ショートカットキーが用意されています。『astah*』のショートカットキーでは、図の生成やステレオタイプ・属性の追加、ウィンドウの切り替えなどができ、知っていれば便利に活用可能です。このショートカットキーをカスタマイズして、さらに自分にとって使いやすい環境にできることも、『astah*』の特徴のひとつです。

『astah*』の製品

先述のとおり、『astah*』はUMLモデリングツールだけではなく、マインドマップエディタや内部統制サポートツールのソフトウェア製品群なども含まれます。以下、『astah*』の製品の例です。

● 『astah* professional』
● 『astah* UML』
● 『astah* System Safety』
● 『astah* SysML』
● 『astah* GSN』
● 『astah* think!』
● 『astah* Viewer』

それぞれの製品の特徴をチェックしていきましょう。

『astah* professional』

『astah* professional』は、ソフトウェアの開発現場に向けて作られたUMLモデリングツールです。設計・業務フロー・議事録の作成まで、すべてひとつのツールのみでできます。また、さまざまな言語のリバースエンジニアリングや、ソースコードの生成に対応可能です。

『astah* UML』

『astah* UML』も、UMLに特化したモデリングツールです。『astah* professional』との違いは、対応している機能面などがあります。たとえば要求図・要求テーブルやER図、フローチャート、CRUDなどは『astah* UML』では使えず、『astah* professional』でのみ使用可能です。

『astah* System Safety』

『astah* System Safety』は、システム分析設計・安全分析設計・論証などのさまざまな分野の業務を、ひとつのツールにまとめたモデリングツールです。システムのMBSE(Model-based Systems Engineering)をサポートし、複数の技術者が自分の得意分野で力を発揮できる枠組みや、複数の技術者によるシステムの記述を、整合性を保ちつつ統合する枠組みを提供しています。また、上流工程をモデルベースで一元化することで、開発初期のズレや抜けを防止可能なツールです。

『astah* SysML』

『astah* SysML』は、システムモデリング言語『SysML』を使った分析・設計を支援するツールです。『SysML』とは、OMG(Object Management Group)によって定められた、システムズモデリング言語のことです。『astah* SysML』では、チーム開発をサポートする機能や、より素早く効率的な描画をアシストする作図機能、XMI形式での入出力などができます。

『astah* GSN』

『astah* GSN』は、GSNという表記法を使って議論の目標や文脈などをモデル化して、議論構造を可視化できるようにするツールです。セキュリティの脅威を分析する際の効率化や、論証を記述するアシュアランス・セーフティケース、ソフトウェアレビューのプロセス改善などに使えます。

『astah* think!』

『astah* think!』とは、『astah*』のマインドマップのことです。データや思考、発想を紙にまとめるようなツールで、情報の整理やプランニングなどに活用できます。

『astah* Viewer』

『astah* Viewer』は、『astah* professional』『astah* UML』『astah* think!』のファイルのビューワーです。『astah*』を使っていない方にも『astah*』ファイルを直接確認してもらえるため、クライアントに閲覧してもらいたいときなどに使えます。

『astah*』の使い方例

続いて、『astah*』の使い方の例をチェックしていきましょう。

業務フローの作成

『astah* professional』ならば、フローチャートを描写可能です。この機能を活用して、業務フローの作成も『astah*』できます。

図上をダブルクリックすると、よく使われている図要素を生成可能です。また、アイコンをマウスオーバーすると矢印が表示されるため、矢印をクリックしてそれぞれの要素を結ぶだけで線でつなげられます。

議事録の作成

『astah*』を使えば、議事録の作成も可能です。データや思考などを紙にまとめるようなマインドマップである『astah* think!』を活用して、ミーティングの議事録を簡単に作れます。

議事録テンプレートなどで事前準備をしておき、会議ではスクリーンに投影し、会議終了後に必要な情報を後付けして共有するなど、利便性の高いツールです。

ブレインストーミング

『astah*』は、ブレインストーミングにも使えます。スクリーンに投影しながら使えば、1人だけではなくチームでのブレインストーミングで、効果的に活用可能です。WHY・ WHO・HOW・ WHATの4つの要素で組み立てるインパクトマッピングのテンプレートもあるため、ブレインストーミングで活用すると良いでしょう。

データベースのER図作成

ER図の作成にも、『astah*』を使用可能です。ER図の作成は『astah* professional』で利用可能となる機能で、IDEF1XとIEの記法を用います。

図を編集する際に、 関連の属性やリレーションシップがハイライト表示されます。そのため、エンティティや属性の参照関係が視覚化され、素早く把握しやすいです。

ER図の自動生成

『astah* professional』では、データベースからインポートしたテーブル情報をもとに、ER図の自動生成もできます。使い方は、ER Modelのポップアップメニューから『ER図を自動作成する』を選択すれば、自動生成されたER図が表示されます。

エンティティの作成

『astah*』を使用すれば、図上のダブルクリックだけで、エンティティを簡単に作成可能です。エンティティのポップアップメニューなどをクリックすると、主キーや属性を追加できます。また、作成したエンティティの表示レベルの変更も可能です。

ドメインの作成

『astah*』でドメインの作成をする際は、ドメインを個別に追加する方法と複数をまとめて追加する方法があります。ドメインを個別に追加する際の使い方は、構造ツリー>ドメイン>ドメインの追加です。

また、複数をまとめて追加する使い方は、構造ツリー>ドメイン>まとめてドメインの追加でできます。もしくは、メインメニュー>ツール>ER図>まとめてドメインの追加でも利用可能です。

リレーションシップの作成

『astah*』では、依存型・非依存型・多対多型のリレーションシップの作成ができます。使い方は、エンティティをマウスオーバーし、作りたいリレーションシップのアイコンをツールパレットから選択し、つなげたいエンティティをそれぞれクリックするだけです。また、ドローサジェストを使うことでもリレーションシップを作れます。

SQLの出力

SQL-92準拠のSQLエクスポートも可能です。メインメニューから、ツール>ER図>SQLエクスポートの順に選んでいくと、SQLエクスポートのダイアログが開きます。対象のエンティティを選び、出力先を指定すれば、SQLエクスポートができます。

また、オプションを選択してモデルタイプや外部キーの出力などを指定したり、エンティティの定義をコメントとして出力したりも可能です。

『astah*』のライセンス情報

先述した『astah*』の各製品には、それぞれに複数のライセンスがあります。また同じ製品でも、利用対象による違いもあるため、使う方にあわせて選びましょう。

たとえば『astah* professional』では、個人・法人・アカデミックで分かれています。さらに法人のなかでも、ユーザーライセンス・タイムドライセンス・ノードカウントライセンス・フローティングライセンスでの違いや、本数などでの違いもあります。

まとめ:『astah*』を活用して業務を効率化しよう!

『astah*』とは、UMLモデリングツールのうち、日本の株式会社チェンジビジョンが開発、販売しているもののことです。『astah*』の名前がついた製品は複数あります。『astah*』では要求を図で表示できるため、構造に着目しやすくなり、抜けや漏れに気付けることがメリットです。

『astah*』では、業務フローや議事録の作成など、さまざまなことができます。うまく『astah* 』を活用して、業務効率化につなげましょう。

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