掲載日:2023/02/24

企業では、円滑な業務進行が求められています。本記事では、無料の「プロジェクト管理ツール」の特徴と内容そして選び方や使用方法などについて解説します。ぜひ参考にしてください。
1:プロジェクト管理ツールとは
企業内において、ある程度の規模のプロジェクトを推進するには、綿密な計画とプロジェクトを円滑に進行するために各項目や工程をチェックする管理業務が重要です。かつては担当者がアナログで行っていたプロジェクト管理も、現代はデジタルツールで実行できる時代となっています。
正確性が高い情報をプロジェクトメンバーが同時共有できる点が「プロジェクト管理ツール」の利点です。プロジェクト管理ツールを適正に運用することで、業務効率を高め生産性の向上の効果が期待できます。
現在、企業内でプロジェクト管理ツールを取り扱う担当者にとっては、ツールの特徴をよく理解した上で運用することが要求されています。
2:プロジェクト管理ツールの主な機能

プロジェクト管理ツールには、数々の便利な機能が装備されています。どれもが業務に役立つものばかりですが、その中でも特に代表的な4つの機能を以下に紹介しましょう。
進捗管理
プロジェクトの円滑な進行を促進するには、スケジュールを適正にチェックすることが重要です。プロジェクト管理ツールには「進捗管理機能」があり、これを活用することでプロジェクトの各タスクの進行状況を正確に把握できます。
進捗管理機能を働かせることで、業務全体の中で見逃されがちな部署の状況が手に取るように分かります。これによって、一部署の遅延により全体の進捗が停滞するリスクを回避するという理想的なスケジュール管理が可能です。
情報共有
多くの社員が同時に作業にあたるプロジェクトにおいては、各部署におけるそれぞれのメンバーが意思を疎通し合うことが重要なポイントです。そのためには、各メンバーがプロジェクト推進に必要な情報を正確に把握して業務にあたることが求められます。
プロジェクト管理ツールには、プロジェクトの参加メンバーからの報告を定められたフォーマットにて管理できる「掲示板機能」「wiki機能」「ファイル共有機能」などの情報共有機能が利用可能です。この機能を使い、各種の情報を各部署のメンバーがリアルタイムに閲覧することで、情報不足によるミスを未然に防げ、業務の円滑な進行に繋がります。
コミュニケーション
ひとつの目的に向かって粛々と業務を遂行するには、メンバー間の良好なコミュケーションも重要な要素です。逆にいえば、メンバー同士のコミュケーションがうまくいっていない現場では、プロジェクトの健全な進行の妨げになるともいえるでしょう。
コミュケーションという点において、プロジェクト管理ツールに装備されている「コメント機能」「メッセージ機能」「チャット機能」が便利です。これらの特徴を有効に活用することで、メンバー同士が直接参加するミーティングなどを必要とせず、互いの意思を疎通できる適切なコミュケーションが実現できます。
工数管理
数多くの工程を正確に管理することもプロジェクト成功のための大切なキーポイントです。特に、プロジェクト全体を俯瞰して監理・監督する立場の上席者にとっては、プロジェクトの工数を正確に把握して、各部署に適正な指示を出すことはなによりも必要不可欠な業務といってよいでしょう。
プロジェクト管理ツールの有効な機能のひとつである「工数管理機能」を使うと、各部署のそれぞれのメンバーが担当する工数を把握できます。眼が行き届きにくい部署にも配慮した管理業務が実現できるでしょう。
3:無料のプロジェクト管理ツールの導入前に確認したい3つのポイント

プロジェクト管理ツールには、無料で使用可能なフリータイプのものが公開されています。フリーとはいっても有料版に引けを取らない性能のものがあり、これを有効利用することで、コストをかけずにプロジェクトの管理業務が可能です。
ここでは、無料のプロジェクト管理ツールを導入する前に確認すべき3つのポイントに言及してみましょう。
1.自社の進め方に合っているか
いかに高機能を備えたツールであっても、そのほとんどが自社のプロジェクトの進行形式にそぐわない内容であれば利用する意味があまりありません。したがって、自社の業務内容に適したツールを選択する必要があります。
プロジェクト管理ツールには、いくつかの機能があるため、それらの機能が自社のプロジェクトに必要かどうかを検討してみる必要があります。いくつかのフリーツールの機能をじっくりと比較してみて、自社が最も効率化したいタスクに役立つ機能が多くあるツールを選択するのが賢明です。
2.日本語対応が可能であるか
有名で人気が高いフリーツールには、日本語に対応していないものがあります。管理者が外国語に堪能であっても、ツールを共有する社員のほとんどが日本人という日本企業が利用するのであれば、やはり日本語対応のツールを選ぶべきでしょう。
外国で開発されたツールは、日本語に対応していないものが多く、無理に使用してもトラブルの原因になりかねないため使用は避けるのが賢明でしょう。
3.スマホアプリケーションに対応しているか
企業のプロジェクトによって野外で作業する現場がある場合には、メンバーが仕事場でパソコンを操作することが困難な状況もあり得ます。他部署とのやりとりをスマートフォンで行うメンバーがいるケースでは、プロジェクト管理ツールもスマホアプリケーションに対応しているか否かが重要な選択肢となります。
このようなケースが考えられる企業では、スマホアプリケーションに対応可能なツールをまず選び、次の段階で、その使い勝手をツールごとに比較してみることが大切です。スマホアプリケーションに対応しており、なおかつ使いやすい機能のツールを選ぶようにしましょう。
4:無料のプロジェクト管理ツールの選び方

ここでは、無料のプロジェクト管理ツールを選ぶ際の、選び方のポイントを目的別に紹介していきましょう。
1.メンバー数で選ぶ
プロジェクトのメンバーのうち、実際にプロジェクト管理ツールを使う人数が何人なのかを事前に確認しておく必要があります。なぜなら、フリーのツールでは使用人数が制限されているものがあるからです。
人数制限があるツールでは、使用人数が増えると有料となるものがあるため、プロジェクトが完了するまでの期間に、何人がツールを使用するのかを事前に把握して上でツール選択をする必要があります。
2.データ容量で選ぶ
ツールのデータ容量も重要な選択ポイントです。無料ツールは有料ツールに比べてデータ容量値は少ない傾向があるため、特に画像や動画などを多く使用するプロジェクトでは、この点が重要な選択ポイントとなります。
3.機能性や操作性で選ぶ
無料ツールを選択する際には、タスク管理やガントチャート、情報共有やレポート、チャットなどの機能に対応しているかをチェックし、同時に「いかに使いやすいか」という操作性の高さについても入念にチェックしましょう。メンバーすべてがパソコンツールに使い慣れているわけではないことを前提に、初心者でも容易に使いこなせる操作性の良さが大切です。
4.クラウド型orインストール型で選ぶ
ツールの選択肢の中でも使い勝手に関連するのが「クラウド型」と「インストール型」のどちらにするかという点です。パソコンのツールは、以前はインストール型が主流でした。
しかし、近年はインターネットをフル活用できる利便性からクラウド型が大勢を占めつつあるようです。
5.セキュリティで選ぶ
ネット接続さえできれば場所を選ばず直ぐに使用できる「クラウド型」に比べて自社サーバーに情報を保存する「インストール型」は、サーバーの設置コストや現場での利用などに難点があります。しかし、セキュリティ面の安全性を考慮して「インストール型」のツールを選択する企業も多くあります。
特に重要な企業内情報や顧客情報など、外部に漏えいすると深刻な打撃となるケースでは、セキュリティ面に不安のないツールを最優先に選択するのがおすすめです。
5:無料プロジェクト管理ツールを使うメリット

ここでは、企業が無料のプロジェクト管理ツールを使用するメリット2点を挙げてみましょう。
コストがかからない
フリーツールを使用する一番のメリットは、やはりコストがゼロという点です。つまり、無料のプロジェクト管理ツールの導入で、支出を抑えて業務の効率化が実現できるといえます。
必要最低限の機能を使用できる
高額な有料ツールには多くの便利な機能が搭載されています。しかし、それらには使用しないものや使い勝手が考慮されていないものもあります。
それだけに、必要最低限の機能だけが揃っているフリーツールは、特に初めてプロジェクト管理ツールを使うという企業には最適のアイテムといえるでしょう。
6:無料版で意識しておくポイント

利便性が高いフリーのツールではありますが、無料であることのマイナス面も多少はあることを知っておきましょう。ここでは、フリーのプロジェクトツールを使う上での注意点を挙げておきましょう。
広告が表示されることが多い
ツールの使用自体が無料であっても、ツールの制作者はなんらかの方法で収益を上げる必要があります。多くの無料ツールは、広告収入にてその対価を得る仕組みです。
フリーのプロジェクト管理ツールも、この構図の例外ではなく、使用する画面の一部分に広告画面が映し出されるケースもあります。広告の掲出頻度などはツールによって異なるため、使い勝手位に対する広告の影響度は事前にチェックしておく必要があるでしょう。
使用したい機能が増えたら有料版の検討も必要
フリーのプロジェクト管理ツールは、有料版と比較して使える機能が限定されています。使用していくうちに、限定的機能に物足りなさを感じるケースが出てくる場合もあるでしょう。
そのような場合には、有料版に切り替えることも検討せざるを得ないため、このケースを想定した上での利用をあらかじめ認識しておくことも大切です。
まとめ:無料のプロジェクト管理ツールを活用しよう!

企業のプロジェクトを円滑に運営するための便利なアイテムとして、プロジェクト管理ツールは業種・業態を問わず、多くの企業で導入されています。そして、コストがゼロのフリーのプロジェクト管理ツールは魅力的な存在です。
フリーではあっても、有料版と遜色のない最低限の機能が搭載されているツールもあります。まずはフリーのツールを導入して活用してみるのが賢明です。無料のプロジェクト管理の活用により、プロジェクト管理が効率よく運営され、それが自社プロジェクトを成功へ導く大きな原動力となることでしょう。