掲載日:2023/02/20

2014年に入社して以来、SBテクノロジーでトップクラスのエンジニアとして、またシステムアーキテクトとして、主にグループ会社の新規アプリケーション開発の現場で活躍し続けてきたTJさん。フルスクラッチでの開発が多い中、さまざまな案件を同時に手掛けるなどマルチに活躍する日々を送る一方で、若手の育成にも独自の視点で尽力しています。後輩の成長のために、自らの経験やアドバイスを惜しみなく伝える、その原動力とは一体何なのか。そこで本インタビューでは、自身のこれまでのキャリアや仕事に対するこだわり、人材育成の取り組みなどについて語っていただきました。
入社までの経緯
パートナー企業からのステップアップを実現
私は2014年に中途採用で当社に入社しました。それまでは約8年間、従業員30人規模の小さなITソフトウェア会社に勤務。さまざまな現場で開発系の仕事に従事し、エンジニアとして地道に技術を磨いてきました。SBテクノロジーと出会ったのは、まさにその頃です。前勤務先がSBテクノロジーのパートナー企業だったことから、業務委託という形で現場に入ることになり、ソフトバンク向けの開発プロジェクトに携わらせていただきました。
そこで数々の経験を積み、エンジニアとしても成長を実感。次なるステップアップを考え始めた矢先に、SBテクノロジーがエンジニアの中途採用に積極的に取り組んでいることを知り、思い切って応募しました。既に一緒に仕事をする中で、私の能力や働きぶりを高く評価していただき、大変光栄だったのですが、一方で「果たして自分に務まるのか…」と不安もありましたね。
前勤務先ではすでにコアメンバーになっていたため、いきなり自分が抜けることで迷惑をかけるのではないかという思いもありましたし、上司に相談したところ強く引き留められ、迷う気持ちもありました。しかし、それまでは2次請け、3次請けが当たり前だったのに対して、SBテクノロジーはプライムベンダーとして元請けと直接やり取りできるところに魅力を感じ、「キャリアアップに繋がるはず。自分にとって最大のチャンス」と考え、思い切って転職を決断した次第です。
入社後はプロジェクトマネージャーという立場で、それまで担当していた案件を引き続き任せてもらいましたが、実際に社員という立場で働いてみて、やはりコストの管理などプロジェクトを1から10まで権限を持ってコントロールできるところには、改めて魅力を感じました。また部門側にいてこそ得られる業務的な知識も多く、一気に視野が広がった気がします。

仕事内容
システムアーキテクトとして新規アプリケーション開発を担う
現在は、ソフトバンクの新規アプリケーション開発を請け負うグループ事業部・第三部に所属。その中で私はシステムアーキテクトとして、また時にはプロジェクトマネージャーとして、ご相談いただいた案件に対して、技術的・人員的に請け負うことができるのかといった判断や、請け負う際の技術選定、計画の提案、進捗管理、メンバーのマネジメントなどを行っています。
グループ向け領域の特徴としては、システムをゼロから構築するフルスクラッチでの開発案件が多く、私自身、同時に複数のプロジェクトをまたぐ形で業務に当たることが少なくありません。また、担当外のプロジェクトや他のメンバーに対する技術的支援、フォローアップなども重要な任務です。こうしたことから、コアな専門知識や技術力はもちろん、さまざまなシーンに対応できる幅広い知見も求められます。
仕事のこだわり
決して妥協せず、納得できるまで石橋を叩き続ける
私たちのミッションはお客様の要望に沿ったものを提供することですので、細部に至るまで妥協は許されません。お客様と折衝を重ね、意図を汲み、設計通りのアプリケーションを作っていく必要があります。特に私はこだわりが強く、周りの人から「石橋を叩いて渡るタイプ」と言われるほど慎重な性格のため、他のメンバーが「これで大丈夫」と言っても、「なぜ大丈夫なのか?」と、論理的に説明できるかどうかを重視しています。
プロジェクトを進めていく上で私が特に重きを置いているポイントは、3点です。1つは、繁忙期と閑散期の波がある中で、余力を持ったスケジュールを組み立てること。2つ目は、ベテランから若手も含めた、QCD(Quality、Cost、Delivery)のバランスを鑑みたメンバー構成とすること。そして3つ目は、揃えたメンバーがよりレベルアップし、活躍できるように育成すること。なかでも若手の育成に関しては、3年ほど前から部門教育の一環として強化しています。
若手の育成
自らの苦い経験を反面教師にしながら、若手の成長を手助けしたい

若手の育成に力を入れ始めた理由は、主に2つあります。1つは、昨今のIT業界における人員不足です。優秀な人材を採用するのが難しくなっている中、「それなら今いるメンバーを強化しましょう」と私から上司に提案し、部内の教育担当を務めることになりました。
そしてもう1つの理由は、私自身が若手の頃に丁寧な指導を受けてこなかった苦い経験があるからです。前勤務先は人が少なかったこともあり、先輩についてもらうこともなく、たった一人で業務委託先へと出向いていました。そのため最初のうちは勝手がわからず、怒られながら、自分で答えを探す毎日だったのです。
いつか自分がマネジメントする立場になったときは、この経験を反面教師にして、後輩たちをしっかり指導してあげたい。そんな想いをずっと持ち続けてきました。
現在グループ事業部・第三部が行っている人材育成の取り組みは、主に新卒入社1年目の社員が対象です。配属が決まり次第、部内にて「報連相(ほうれんそう)」などの基本的なビジネスマナーや、SIerとしての心構え・考え方などを徹底的に指導。さらに学生時代にプログラミングなどに触れてこなかった新人もいるため、知識を平準化させるための技術研修等を行ったり、また実際にプロジェクトの現場に入った後も引き続き1カ月に1回のペースで私との1on1ミーティングなどを実施しています。
誰かに教わって身につくこともありますが、一方で自分で気づかないと身につかないことも少なくないと思います。そのため私はまず0→1にする為の知識、技術を提供しています。その上で1→10へのステップは自ら考えてもらい、何に詰まっているか、悩んでいるのかを1on1などを通してヒアリング・サポートする。そんなスタンスを取っています。教えているメンバーはモチベーションが非常に高く、ビジョンも明確に持っているので、私は必要に応じてそうしたビジョンを補正しつつ、より早くステップアップできるような手札を渡してあげている感じですね。
一人ひとりと丁寧に向き合うだけでも、教育効果は高まると思います。例えば当社では、すべての新入社員を対象に配属後も全社的な集合研修を都度実施しているのですが、手前味噌ながら、我々の部署のメンバーは、他と比べて研修に対する真剣度がひときわ高いようです。研修終了後に「どんなことを学んだか」「どんなところに感銘を受けたか」など一人ひとりに振り返りをしているのが大きいのではないかと思っています。
ここまで取り組んできて、着々と成果も現れてきました。入社2年目でチームリーダーを務めたり、なかには入社3年目にしてプロジェクトリーダーに抜擢された人間もいます。また残念ながら転職を決めた若手が「ご指導していただいたことは次の会社でも引き続き実践していきます」と言ってくれたこともありました。一人ひとり道は違えど、みんなが共に成長し、給料も上がっていけば、私自身も嬉しいですし、取り組んできた甲斐があったなと感じます。
若手に伝えたいこと
新入社員に知ってほしい「自分の考えを持つ」ことの大切さ

私にはもう一つ、若手時代の苦い経験があります。当時の私はあまり主体性がなく、ただ指示されたことしかできませんでした。そんな中、あるプロジェクトに関わっていた際、信頼していたリーダーから「君にはその先のプラスαを期待していたんだ…」と指摘され、ひどく落ち込んだことがありました。
今、私は入社したての社員にまず初めに「自分の考えを持ちましょう」と伝えています。たとえそれが間違ったものでもいいんです。自分で考えて導き出した答えを常に1つ2つ用意しておく。そんな習慣を身につけておけば、おのずと主体的に動けるようになります。また、例えば誰かに質問するとき、何がわからないのか、自分はどう思うのか、ゴールはどこなのかなどを明確にしておけば、よりスムーズにコミュニケーションが進むでしょう。私自身も、仕事をする上で「自分の考え」は常に大切にしています。
実際に当社で活躍しているエンジニアも、自発的に動くことができる人や、自分の考えをしっかりと持っている人、またお客様の考えと自分の考えに折り合いをつけながら上手に交渉を進められる人が多いです。もちろんこれから入社する人たちに対しても、そうした資質や能力を求めています。
当社はプライムベンダーであるため、プロジェクトにどういうスキルセットを持った人が、何名くらい関わっているのかなど、さまざまな数字や情報に触れることができ、その上でプロジェクトをある程度自分の裁量でコントロールすることも可能です。加えて、発注元のお客さまもまだ表に出していない、社内での利活用に留めているような最新技術にも触れる機会があります。そんな環境で力を試してみたいと思う方は、ぜひ応募してみてください。
現状の課題とこれからの挑戦
若手から憧れられるようなシステムアーキテクトのモデルケースに

実は私のようなアーキテクトというポジションに就いている人材は、現状社内に数名しかおりません。新人の配属面談などでも、アーキテクトを希望する人は多くないようです。
今後このポジションを強化していくためには、私自身がアーキテクトとしてさらに成長し、若手から憧れられるようなモデルケースの一人になる必要があると思います。今後も若手育成などを通じて私なりのマインドを伝え、アーキテクトの裾野を広げていきたいですね。
また育成に関しては現状新卒1年目の社員をメインに行っていますが、今後は第二新卒や中途採用など20代半ばくらいの若手もフォローできればと考えています。若手が成長してくれれば、その分、私の仕事が減って楽になりますから(笑)。人手不足の中、私を含めてみんながレベルアップし、今よりもっと互いに協力し合えれば、より一層働きやすい環境が得られるでしょう。その結果、SBテクノロジーで働きたい人が一人でも増えてくれれば幸いです。