掲載日:2023/01/30

近年、エンジニアの職種は多岐に渡るのでキャリアは多様化しています。今回はキャリアパスが重要な理由や近年の傾向、どのようなキャリアの方針があるのかをご紹介します。将来の見通しを決める際の3つのポイントまで解説しているため、ぜひ参考にしてください。

エンジニアのキャリアパスが重要な理由
変化が激しいIT業界でエンジニアとして活躍し続けるには、しっかりとキャリアパスを描いておくことが重要です。エンジニアは、勤める企業の商流や職種によっても求められる能力が異なります。
そのため、エンジニアとしてキャリアアップやキャリアチェンジをしていきたいならば、事前にキャリアの方針を考えておくべきです。キャリアパスがはっきりすると、自分にどういったスキルや経験が必要なのかを理解できます。スキルや適性、興味のある分野などを見つめなおした上で、キャリアパスを描いていきましょう。

2020年代のエンジニアのキャリアパスの傾向
近年、エンジニアのキャリアには選択肢が多くなりました。さらに、IT業界はトレンドの移り変わりが激しいため、キャリアパスを考える際にはさまざまな点に考慮する必要があります。
以前からのイメージのままでは、思った通りの働き方ができなくなるかもしれません。また、今後のキャリアパスを考えないと必要なスキルがわからず、年収が伸びないまま勤続年数を重ねる恐れもあります。
それでは、2020年代のエンジニアのキャリアパスの傾向を詳しくチェックしましょう。
キャリアの選択肢が多い
従来は、開発職から始めて上流工程の担当やマネジメント職を目指すのがエンジニアとしての一般的なキャリアパスでした。しかし、現在はWebサービスなどが多様化したこともあり、エンジニアのキャリアの選択肢が増えています。
そのため、現在は希望や適性にあわせて比較的自由にキャリアを選べる時代です。経験を積んでから、マネジメント系だけではなく、専門性を追求する技術者としての活躍も選べます。また、IT化を進める企業が増えたことで、転職の際の選択肢も増加しました。
トレンドの移り変わりが早い
IT業界は、トレンドやニーズの移り変わりが早く、新しい技術もどんどんできています。そのため、キャリアパスを考える際には、将来的な流行り廃りを考慮し、ニーズの高い分野を理解することが重要です。
たとえば今までのエンジニアは、システム開発や運用・保守などが主な仕事内容でした。しかし、2020年代以降は従来型のシステム開発の需要が少なくなる見通しです。2020年代後半には、AIやIoTなど、ITサービス市場のなかでも最先端分野への需要が増大すると言われています。
IT業界のトレンドを日々追い続け、ひとつの技術や領域だけではない柔軟なキャリア戦略をすることが必要です。

エンジニアが目指せる3つのキャリアパス
近年、エンジニアのキャリアパスにはさまざまな選択肢があります。具体的な職種の目標を立てる前に、おおまかな方向性を知っておきましょう。
エンジニアが目指せるキャリアパスは、大きく分けると「スペシャリスト」「ゼネラリスト」「マネージャー」の3つです。また、これらの他に、独立して活躍する場合もあるでしょう。これらのキャリアパスについて、詳しく解説します。
1.スペシャリスト
スペシャリストとは、特定の分野にのみ特化することで専門性を高めた技術者です。プログラミングや開発の専門家など技術的な領域で力を発揮します。
エンジニアは、経験を積んで専門性をさらに高めていくことで、スペシャリストになれます。スペシャリストは、システム開発の際に実装部分を担当したりチームの責任者を担ったりするポジションで、「テックリード」や「CTO(最高技術責任者)」として扱う企業もあります。
2.ゼネラリスト
エンジニアは、ゼネラリストとしての活躍も可能です。ゼネラリストは、特定分野への特化ではなく、幅広い分野の業務を担っていきます。プロジェクト全体に視野を広げ、システムの開発・設計からテスト、運用まで、幅広く取りまとめる役割の方です。
チームマネジメント業務を担当することもあり、将来的にプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーになりたい方も、ゼネラリストとして経験を積んでいます。
3.マネージャー(管理監督者)
マネージャーも、エンジニアが目指せるキャリアパスのひとつです。エンジニアがマネージャーになった場合、管理職として開発部門全体のマネジメントを行います。さらに人事評価や人材採用などで企業の意思決定に関わっていくことになるため、マネージャーは今後経営層を目指していきたい方におすすめです。

【職種別】ITエンジニアのキャリアパス例
キャリアパスは、職種の違いも考慮する必要があります。例としておおまかに分けると、「開発エンジニア」「Webエンジニア」「インフラエンジニア」などの職種があり、さらにそれらの他の職種も選択可能です。
それでは、キャリアパス例を職種別で詳しくチェックしていきましょう。
開発エンジニアのキャリアパス
<システムエンジニア>
一般的に、1~3年目に基礎的な資格を取得しつつ経験を積んで、システムの設計から運用保守までを担当します。その分野でかかせない人材になるよう特定の分野に特化するだけでなくリーダーシップやコミュニケーション力も求められます。
<アプリケーションエンジニア>
さまざまなアプリケーションを開発するエンジニアです。スマートフォンのアプリケーションに特化するなどのキャリアパスがあります。マネジメント力を身につけたり、業界知識の幅を広げたりすることもキャリアアップにつながります。
<組み込みエンジニア>
家電やPCなどに機能を組み込みます。特定の機能に特化した技術を身につけることで、より専門性を高めることができます。
Webエンジニアのキャリアパス
<フロントエンドエンジニア>
WebサイトやWebサービスに関する顧客から見える部分の開発の担当者です。キャリアアップを目指す場合は、プログラミングスキル以外にUI・UXやデザインなどのスキルも必要になります。
<バックエンドエンジニア>
顧客には見えない部分のWebサイトやWebサービスを担当します。クラウドエンジニアやデータベースエンジニア、他にもPLやPMとしてのキャリアも選択可能です。
インフラエンジニアのキャリアパス
<サーバーエンジニア>
主にサーバーの構築・運用保守を担当します。サーバー負荷の分散や仮想化、大規模インフラ設計ができるようにサーバーに関する知識を増やしましょう。キャリアパスとして、インフラエンジニアやPL・PMなども選択可能です。
<ネットワークエンジニア>
インターネットに接続する回線を設計・構築します。専門性を高めてセキュリティエンジニアネットワークスペシャリストや、PL・PMやインフラエンジニアなどのキャリアパスを目指せます。
<クラウドエンジニア>
クラウド環境におけるネットワークやサーバーを構築する担当者です。SaaS、PaaS、IaaSなどクラウドの形態への理解を深めるとキャリアアップを目指せます。さらに上流のPL・PM・クラウドコンサルタントを選択可能です。
<データベースエンジニア>
データを構築・管理する役割があります。データベーススペシャリストやデータサイエンティストなどの資格取得で専門性の高めることにつながります。
その他のエンジニアのキャリアパス
その他にもさまざまな種類があります。たとえば、以下のようなキャリアパスです。
<テストエンジニア>
IT製品やソフトウェアなどに組み込まれたプログラムに、設計ミスやエラーがないかを確認する担当者です。スペシャリストの場合はテスト自動化エンジニア、ゼネラリストであれば品質コンサルタントなどを目指せます。

エンジニアのキャリアパスを決める際の3つのポイント
エンジニアのキャリアパスを決める際には、以下のポイントを理解しておくことが重要です。
● 自己分析をして自身の経験やスキルを把握する
● 情報収集をして目標を明確にする
● 将来性が期待できる分野を探す
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
1.自己分析をして自身の経験やスキルを把握する
求められるスキルは、キャリアパスごとに大きく異なります。自分が今後したい仕事や目指す目標を冷静に分析した上で、自身の経験やスキルを把握することが重要です。
そのために、今まで関わったプロジェクトや解決したことのある課題などを振り返り、言語化できる状態にすることをおすすめします。これにより、伸ばしていくべきスキルや今後の方向性がはっきりします。
2.情報収集をして目標を明確にする
キャリアパスを描くためには、情報収集をして目標を明確にすることも重要です。興味のある分野の業界や企業、求人などの他、現状のポジションと目指したいポジションなども含め、さまざまな情報を集めるべきでしょう。
自身が向いていることややりがいを感じることなどを知れるため、目指すキャリアのゴールを定めやすくできます。
3.将来性が期待できる分野を探す
今後のキャリアを検討する際は、将来性が期待できる分野を探すことも重要です。今後需要が高まると言われている分野は、AIエンジニアやIoTエンジニアなどがあります。
これらの分野や、既存技術でも需要が高まっているクラウドエンジニア、セキュリティエンジニア、またモバイル端末に関する分野などでキャリアパスを検討するのがおすすめです。

まとめ:エンジニアのキャリアパスを理解して自分にあった働き方を探そう
IT業界はトレンドの移り変わりが激しいこと、エンジニアのキャリアの選択肢が多くなったことなどで、キャリアパスを考える際にはさまざまな点に考慮する必要があります。
以前からのイメージのままでいたり、今後のキャリアパスを考えずにいたりしては、思った通りの働き方ができない、年収が伸びないまま勤続年数を重ねてしまうかもしれません。
今回ご紹介した内容を参考に、キャリアパスを意識して自分にあった働き方を探してみることをおすすめします。