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エンジニアにとってポートフォリオは重要か?作る際のポイントも解説

コラム

掲載日:2023/01/27

IT業界でキャリアアップするには、これまでの制作物や参加したプロジェクトにより得たスキル・能力を面接の際に示す必要があります。この記事では、エンジニアにとってのポートフォリオの役割や必要な理由、作成時に重視すべきポイントについて解説します。

エンジニアも転職の際にポートフォリオは必要?

ポートフォリオ(Portfolio)とは直訳すると「書類入れ」です。しかしどちらかというと書類のような「情報」ではなく、それらを「まとめる」または「まとめること」といったニュアンスの用語として使われます。つまり、作品集のようなイメージです。

ポートフォリオは自分が何をどれくらいできるのかをわかりやすくまとめたものです。そのため、エンジニアにとっても新規プロジェクトへの応募や転職の場面では、自分の実力を示す上でもポートフォリオが必須と言えます。

エンジニアの転職にポートフォリオが必要な理由

キャリアアップを目指したいエンジニアほど、転職の際にはポートフォリオは重要です。ここではまずエンジニアがポートフォリオを作るメリット、必要な理由について解説します。

自身のスキルを証明できる

ポートフォリオがあることで自身のプログラミングスキルを証明できます。新しい職場への転身や新規事業への挑戦などといった場合には、職務経歴書だけで持っているスキルを正確に示すことはできません。そのようなとき役立つのがポートフォリオです。

自身の経験値やスキルをポートフォリオでうまく表現できれば、応募者が多かったとしても、その中でも相手からすればきっと気になる存在に映るでしょう。

やる気を示せる

新しい仕事の応募先にポートフォリオを提出するということは、それだけ仕事に取り組む意欲がある、つまりやる気があるということにつながります。

示されるポートフォリオがわかりやすく、求めているスキルが明らかであるほど、人事担当者の理解を得やすく、やる気とともにスキルも魅力的に映ります。将来のキャリア設計などと絡めれば、これからの働きを大いに期待することにもなるでしょう。

書類選考や面接を有利に進められる

ポートフォリオがあれば、採用の際の書類選考や面接を有利に進められます。エンジニアも他の職種と同じように、仕事が魅力的でよい待遇であるほど応募者は多く、先方の採用担当者はより多くの応募書類に目を通さなくてはなりません。そのような大勢から抜け出すには、「この応募者は他とは少し違うな」と思わせることが大切です。

また、ポートフォリオは履歴書や職務経歴書では表現できないことがアピールできます。他の応募者より選考において有利になるような経験やスキルがあればあるほど、魅力的なツールとなるでしょう。

入社後のミスマッチを防げる

ポートフォリオが正確で漏れがないほど、入社や採用の後のミスマッチを防げます。記載された情報に相違がなければ、業務においてのわずかなニュアンスの違いを互いに解消できるからです。

ポートフォリオが正確であればあるほど、採用後のミスマッチ防止につながるだけでなく、こちらのスキルの高さや豊富な経験を伝えられるでしょう。

エンジニアのポートフォリオを作る6つのステップ

ポートフォリオを作るときは、エンジニアに共通する6つのポイントを押さえておく必要があります。そのためには正確でかつ先方に魅力的なポートフォリオを作るという目的を忘れないことが大切です。うまく表現できているかを何度も確認しながら作成しましょう。

1.何を作成するか考える

まずは自分のスキルをうまく証明できる制作物が何かを考えましょう。すでに実績があり、制作物をすぐに用意できるのなら、手順3「ソースコードを公開する」に進んでください。

これから用意するなら制作物には、応募先の環境で使われる言語や技術、求められるレベルを考慮しなくてはなりません。自分のスキルが表現でき、かつ独自のアイデアのあるオリジナリティあふれるものを選びましょう。

2.開発する

どのような制作物かが決まったら、実際にコードを書いて開発を始めます。作成には次のような注意点があります。

● 作成、読み出し、更新、削除ができる
● 自分が独自に「使いたい」と思える機能を作成する
● あまり複雑なものではなく、単一動作するアプリケーションといった簡単なものでよい

どれもある程度のプログラミング言語を学んでいれば難しくはないでしょう。ただ、重要なのは「きちんと動作する」ことです。動作は特に入念に確認しましょう。

3.ソースコードを公開する

制作物を公開するときは、ソースコードを見てもらえるようにしておきます。制作物がどの言語を使い、どのように開発されたのかは、コードの中身でわかるからです。ある機能に対して特定の言語を選んだことや、コードの書き方などは評価のポイントです。

4.開発の詳細や意図などをまとめる

制作物を公開するときは、次のようなポイントをまとめておくのもおすすめです。

● 使用目的や概要
● 制作しようと思ったきっかけ
● 使った技術とその技術を選んだ理由
● 特にこだわったことや機能
● 特に苦労したことやエピソード

ポートフォリオの形式には、あまりこだわる必要はありません。形式より、エンジニア自身の向上心や決断力、情報収集能力の方が、先方にとって重要だからです。

5.スキルシートを作成する

経験やスキルをわかりやすくまとめた「スキルシート」には、一般に次のような内容を記載します。

● 氏名・経歴などのプロフィール
● 身につけた知識や経験、技術、得意分野
● 将来のキャリアプラン
● ブログなどアウトプットがわかるもの
● 連絡先

ここで言うプロフィールには、履歴書や職務経歴書と重複する内容は記載しません。使った技術などもれなく、できるだけシンプルに記載しつつ確実にアピールできるものに仕上げましょう。

6.ページを公開する

最後に、まとめた情報をポートフォリオとして公開します。公開するサイトは採用担当者が確認できればどのようなものでも構いません。

ホスティングサービスを利用するなど、公開すること自体がアピールになるような工夫もしてみましょう。

エンジニアがポートフォリオを作成する際の5つのポイント

エンジニアにとってポートフォリオは、採用されるために利用できるまさに「武器」と言えます。時間をかけて作るからこそ、相手に合わせた、歓迎されるようなものに仕上げたいものです。ここでは効果的なポートフォリオ作成のポイントを5つ紹介します。

1.コードを読みやすく整える

ポートフォリオは、自分のスキルや経験をできる限りスムーズにわかってもらうことが目的です。複雑すぎる、理解に時間がかかるものは避け、次のように見やすく、わかりやすくする必要があります。

● すばやく必要な情報に到達できる
● 情報がわかりやすい
● 整然としたレイアウトで見やすい
● 全体のデザインに統一性がある

ポートフォリオから採用後の仕事ぶりが推測されれば、採用可否に影響します。制作物もポートフォリオも、見る人の立場に立って作ることが求められます。

2.需要のある技術を使う

ポートフォリオに記載する制作物には、レスポンシブ対応やPythonやJavaといった確実に需要のある技術を使うと効果的です。

今の需要に見合っていない、または需要のない技術だと確認に時間がかかるだけでなく、採用後の仕事ぶりを想像しづらくなってしまいます。制作物にはできるだけわかりやすい、理解してもらいやすい技術を使うようにしましょう。

3.ユーザー目線な内容を考える

例えば動作の軽さをアピールしたいからといって、デザインをおろそかにしては高い評価は得られません。これはユーザー目線で制作物が魅力的ではないからです。

ユーザーからは総合的な完成度を求められます。評価を得るにはさまざまな要素が一定以上であり、かつそれらのバランスが取れていることが必要です。制作では常にユーザー目線を忘れないよう努めましょう。

4.オリジナリティを意識する

とは言えユーザー目線を意識しすぎれば、どこにでもある制作物に落ち着いてしまいポートフォリオもありがちなものにとどまってしまいます。

ポートフォリオには、事前にアピールしたいスキルや自分なりに考えた工夫といったオリジナリティをどう盛り込むかも重要です。わかりやすく、需要のある技術を使ったオリジナリティの感じられるものを作成するよう意識しましょう。

5.これまでの経歴や実績をまとめておく

ポートフォリオには、履歴書や職務経歴書では書くことができないことを記載できます。例えばこれまでに在籍した企業名、担当した業種や職種、参加したプロジェクトとその中での役割は、間違いなくエンジニアとしてのスキルに影響しているはずです。

具体的に、作成したアプリケーションやWebサービスなどで使った言語なども併せて記載すれば、よりスキルや能力を、またあなた自身を理解してもらうことにもつながります。

エンジニアのポートフォリオ作成にあたり気をつけること

自分のスキルや能力をアピールしたいからといって、何でもやっていいというわけではありません。エンジニアの社会も、広い一般社会の一角です。社会通念上、やってはならないことは絶対に避けるべきです。

ここではエンジニアがしっかり守りたい、ポートフォリオ作成の注意について解説します。

社会的に見て道徳・倫理に反する内容になっていないか

いくら自分が関わったとは言え、企業からの注文で作成したアプリケーションやWebサービスを、許可なく「自分の制作物」として紹介してはいけません。なぜなら制作物は発注した企業のものだからです。勝手に公開すれば「無断転載」として訴えられる可能性があります。

このような、社会全体から見たとき社会通念上の道徳や倫理に反する行為は、信頼を大きく損ねる結果になるでしょう。スキルや能力といったレベルではなく、1人の社会人としての自覚や常識が疑われてしまいます。

秘密保持契約を守れているか

ポートフォリオによって、他の企業の秘密を漏洩してしまうのは避けなくてはなりません。もし以前所属していた企業がクライアントと秘密保持契約を結んでいたら、クライアントの企業名やサービス名を特定されないよう細心の注意を払う必要があります。

記載する場合は「大手出版社の情報配信サービス」のように表現するなど工夫しましょう。それでいて業種や業界、開発規模が推定できるくらいが理想です。

まとめ:エンジニア転職を考えたらポートフォリオを作成してみよう

エンジニアにとってポートフォリオは、これまで得た経験やスキル、実績としての制作物を、転職や新たなプロジェクトへの応募などの場面でアピールするのに役立つツールです。

ポートフォリオはシンプルでありながらもオリジナリティがなくてはなりません。また一般的な道徳や倫理に反しない、秘密の漏洩に該当しないような配慮も重要です。

ポートフォリオ作りは、これからのキャリア形成にきっと役立つはずです。この機会に手がけたさまざまな仕事を客観的に整理してみましょう。

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