メインコンテンツへ

バックオフィス業務とは?
職種例から仕事内容まで解説

コラム

掲載日:2023/01/26

バックオフィス業務とは、営業部門などを後方から支える役割を持つ部署のことです。具体的には、人事や経理といった部署がそれにあたります。本記事では、こうした「縁の下の力持ち」の職種や必要なスキルなどについて解説していきます。

バックオフィス業務の意味や役割とは

バックオフィスは「後方支援」と言う意味を持ち、自らは利益を生まないものの、営業や事業など、直接的に売上や利益を上げる部署の下支えをする業務を指します。営業部門に代表される、利益を生み出す部署は「フロントオフィス」と呼ばれます。

バックオフィスは地味な存在と思われがちですが、フロントオフィスの業務サポートや、官公署への手続きなど企業活動の継続に不可欠な、重要な役割を担っています。人事や総務、経理といった部門がバックオフィスの代表例です。法務部や情報システムの担当部門なども、バックオフィスに含まれます。

一般的に、企業活動には以下の3要素が必要とされます。
● 生産機能
● 販売機能
● 事務・会計機能
これらのうち、「事務・会計機能」を担当するのがバックオフィスです。生産や販売に付随して発生する支払いと請求の業務や、決算関係の業務、社会保険や税務の諸手続きなどが事務・会計機能にあたります。バックオフィスが十分に機能していなければ、企業の事務処理は停滞し、企業活動そのものの継続も難しくなってしまいます。

バックオフィスが強化されることで、企業の経営資源をより活用することができ、業務効率や生産性の向上も見込めるでしょう。

上場企業のバックオフィス職種例

目立たないながらも、企業活動には欠かせないバックオフィス部門には、前述の人事や経理をはじめとして、数多くの職種が存在します。以下に主な職種を挙げ、業務内容を説明します。

経理・財務

企業のお金の流れを管理するのが、経理や財務などの職種です。経理は使ったお金の管理を意味し、財務はこれから使うお金の管理を意味します。年次の決算書や月次収支の作成、日々の経費精算など、業務内容は多岐にわたります。

損益計算書や貸借対照表などの専門知識を必要とし、正確さが求められる点が特徴です。融資を受けるための説明文書を作成したり、企業買収に必要な資金を見積もったりと、交渉力や提案力が問われる局面もあり得ます。

人事・労務

人事・労務部門は、従業員の採用や教育・研修、退職など、人材にかかわる業務を担当するポジションです。給与計算や福利厚生、人材の育成や評価制度の設計など、幅広い業務範囲を持っています。人事制度の改善により離職率を低下させた例などもあり、企業全体の発展を支える重要な職種と言えます。

人事・労務部門は多数の個人情報を扱う職種であるため、秘密保持に関するリスク管理意識が必要です。

総務

「他の部署に属さないすべての業務を担当する」とも言われるのが総務部門です。株主総会の運営のような大きなイベントから、備品の管理のような細かな仕事まで、総務部門の業務は広範にわたります。全体として、企業活動を円滑に進めるための下支えを担っています。

企業規模が小さい場合は、経理や人事など他の職種と兼任している事例も少なくありません。業務量が多いのに、目標の明確化が難しいと言う課題を抱えがちな部署でもあります。

法務

契約書の作成や審査、紛争が発生した際の対応などが法務の主な業務です。企業が健全に発展するためには、法律を遵守する中で、利益を追求することが必要です。法令遵守と利益追求のバランスを取り、経営層に的確な判断材料を与える役割も担います。

法律に関する専門知識が要求され、社外の弁護士や行政書士などの専門家とのコミュニケーションも発生します。法改正などを随時フォローしなくてはならないため、業務が属人化しやすいのが課題です。

情報システム

業務で使うシステムの保守や管理、社内ネットワークの構築とメンテナンスなどを担当します。インターネットへの接続なしに業務が進められない時代となっており、現代の企業活動には不可欠の部門となっています。IT戦略の構築やセキュリティ対策も、情報システム部門の重要な役割です。

一般事務

データの入力や書類の発送、来客の一次対応などを主な業務とするのが一般事務です。営業部門のサポートをする場合があるなど、企業によって一般事務の業務範囲は大きく異なります。原則として専門知識は必要なく、未経験者でも働きやすい点が特徴です。コスト削減の観点から、一般事務の人員を減らす流れが続いており、一般事務の社員がいない企業も増えています。

上場企業のバックオフィス転職者に求められるスキル

バックオフィス業務に転職しようとする際、必要な資格はとくにありません。未経験からでもチャレンジ可能な職種ですが、スキルや資格を持っていたほうが、転職に成功するチャンスは広がります。バックオフィス業務の経験がなくても、スキルや資格があれば、選考でアピールできる可能性があります。

バックオフィス業務で持っていたいスキル

バックオフィス業務で持っていたいスキルは、以下のようなものです。
● コツコツ取り組める
● 人をサポートするのが好き
● コミュニケーション力が高い
バックオフィス業務は、同じ事務作業の繰り返しとなることが多いため、飽きずにコツコツと取り組める人が向いています。同じ作業をムラなく繰り返し、正確かつ迅速に処理していくことがバックオフィスの担当者には求められます。

バックオフィスの存在意義は、フロントオフィスのサポートです。業務そのものがサポートであるため、人をサポートすることを好まない人には不向きと言えるでしょう。自分がサポートに徹することで、周囲の業務がスムーズに進むのに喜びを感じられる人に向いた仕事です。

総務部門などでは、企業内のさまざまな部署の、多くの人とやり取りが行われます。場合によっては、他部署との連携で処理する業務もあります。バックオフィス業務を円滑にこなすためには、コミュニケーション力が必須です。

バックオフィス業務で役立つ資格

経理部門への転職には、簿記の資格があると有利です。簿記の資格を持っていれば、財務諸表を読む力があることを証明できます。日本商工会議所が運営する『日商簿記』は、1級から3級、簿記初級、原価計算初級の各級があります。『企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル』とされる『日商簿記2級』の、2022年6月の統一試験の合格率は26.9%でした。

WordやExcelなど、パソコンソフトを使いこなせることを訴求したい場合は、『マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)』の資格取得がおすすめです。MOSは認知度が高く、取得を昇格要件にしている企業もあります。

MOSの資格は、Microsoft Officeのバージョンごとに取得します。各ソフトの持つ機能を、効果的に使いこなすスキルがあることを証明する資格であり、対策のために学習するだけでも、業務効率化に資するスキルが身につくのは利点です。

人事部門での活躍を目指す人には、『衛生管理者』という資格があります。『衛生管理者』は、労働安全衛生法に基づく国家資格です。『衛生管理者』の業務は、就労中の労働災害や、労働者の健康障がいを防止することです。『衛生管理者』には第一種と第二種の種別があり、業務内容は変わりませんが「選任できる業種」が異なります。

秘書業務への転職を検討しているなら、実務技能検定協会が認定する『秘書検定』の取得が一案です。秘書検定の取得により、オフィスマナーを備えていることが証明できます。『秘書検定』は1級、準1級、2級、3級に分かれ、2022年6月の試験結果では、最上位の1級で合格率34.5%でした。

上場企業のバックオフィスのやりがいとは

ここまで示してきたとおり、バックオフィス業務は地味にとられがちですが、企業活動を継続するためには不可欠な、重要な役割を持っています。派手に見える営業部門も、「縁の下の力持ち」的なバックオフィスが機能しているからこそ、利益追求に邁進できるのです。逆に言えば、バックオフィスが弱いと、フロントオフィスの動きも鈍ってしまいます。

バックオフィスの担当者が感じられるやりがいとしては、以下のようなものがあります。
● 企業の課題解決を下支えできる
● 業務スキルが身につく
● 周囲から感謝される
バックオフィス部門は、企業全体のサポート役でもあります。企業の抱える課題を、人事や総務といったバックオフィスの観点から解決する局面も、少なくないでしょう。場合によっては、経営層と連携して業務にあたることもあります。企業全体の課題解決を下支えできたと言う経験は、やりがいと自信に結び付くでしょう。

多岐にわたるバックオフィス業務を担当する中で、業務スキルは自然と上がっていきます。企業によっては、総務と人事、経理と総務といったように、複数の部署を統合しているケースもあります。そのような場合はさらに、多様なスキルが磨かれていくでしょう。

多彩なスキルを身につけられれば、より高度な業務にアサインされる可能性もあり、やりがいもいっそう高まっていくと考えられます。

サポートを主体とするバックオフィス業務は、周囲に感謝されることの多い仕事です。フロントオフィスの担当者が、営業や事業などに集中できるのも、バックオフィスがあってこそです。自分の業務が、社内の他部門など、誰かに感謝されていることを思えば、バックオフィス担当者のモチベーションも向上するでしょう。

まとめ:やりがいのあるバックオフィス業務でキャリアを輝かせよう

バックオフィス業務は、営業などに代表されるフロントオフィスの仕事を支え、企業活動をスムーズに回すサポート役です。裏方的な、目立たない仕事ではありますが、どのような企業にも必要で、重要な役割を持っています。

人に感謝される、やりがいのある仕事である点も、バックオフィス業務の特徴です。スキルに磨きをかけ、資格を取得するなどにより、バックオフィスのプロフェッショナルとして、現在以上の好待遇の企業に転職できる可能性も高まります。さらなる高みを求めて、バックオフィス業務でキャリアを輝かせましょう。

募集職種一覧