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データサイエンティストに資格は必須?各試験の難易度を解説

コラム

掲載日:2023/01/05

企業のAI活用が進められているなか、DX人材への注目度が高まっています。今回はデータサイエンティストの概要や必要な知識、スキル、将来性をご紹介します。取得によって有利になる資格の特徴や難易度まで解説しているため、ぜひ参考にしてください。

そもそもデータサイエンティストとは

そもそもデータサイエンティストとは、統計学などを活用してデータから必要な情報を収集・分析をおこなう専門家のことを指します。データサイエンティストが確認するのはビッグデータと呼ばれる膨大な情報です。多くの情報のなかから必要な内容だけをピックアップして分析することで、活用可能なデータに落とし込んでいきます。

企業などでは、顧客情報や売上といったようなさまざまなデータが扱われています。データサイエンティストによって情報の取捨選択や分析がおこなわれ、そのデータをもとに課題点や事業戦略を検討していくという流れです。

仕事内容

データサイエンティストがおこなう仕事は、企業によって業務の流れなどが異なります。基本的に受け持つのは、以下のような仕事内容です。

● 要件定義
● データ収集・加工・保存
● データ集計・分析
● データ整理・提案

まずはヒアリングをして、相手の課題やデータ分析によって実現したいのはどのようなことかを明確にします。その課題解決に向けて必要なデータを集め、分析しやすい状態に加工してデータベースに保存する流れです。

さらに、さまざまな観点から集計・分析をして、統計処理によってデータを整理した上で、ビジネスでどのように活かせるのかを検討します。単純に結果を伝えるだけではなく、問題解決の対策や方向性を見極めることがポイントです。その後、顧客に課題解決策を提案します。

データサイエンティストのスキルセットや将来性まで解説

データサイエンティストとして活躍するためには、以下のようにさまざまなスキルや知識が必要です。

● ビッグデータに関する知識
● ITに関する知識
● 分析や統計の知識・スキル
● ビジネススキル
● コンサルティングスキル
● マネジメントスキル
● コミュニケーションスキル

それでは、必要な知識やスキル、将来性などを詳しくチェックしていきましょう。

必要な知識やスキル

データサイエンティストに必要となる知識やスキルは、多岐にわたります。ただ分析するだけではなく、データを取得する場所や内容を理解するためにビッグデータに関する知識が必要です。また、ビジネス課題の背景を理解するためのITに関するスキル、多角的に分析するための分析や統計の知識・スキル、ビジネス戦略やロジカルシンキングを理解するビジネススキルもかかせません。

さらに、出た結果を顧客に対してうまく説明して提案するコンサルティングスキル、プロジェクト全体を管理するマネジメントスキル、話す力と聞く力の両面に長けたコミュニケーションスキルも重要です。

将来性

近年、日本ではITに関する人材不足が深刻化しています。ビッグデータから必要な情報を収集・分析できるデータサイエンティストも、さまざまな舞台での活躍が期待されているものの、必要な人材が足りていません。

ビッグデータは今後も増加傾向にあると考えられており、その活用のためにデータサイエンティストの需要もさらに高まっていくでしょう。高度なスキルが必要となるデータサイエンティストはなかなか育成しにくく、十分な人材が供給されるまでにはまだ時間がかかると考えられます。そのため、将来性のある仕事だと言えるでしょう。

データサイエンティストに資格は必要かどうか?

このように、データサイエンティストとはビジネスにおいて重要性の高い仕事です。それでは、データサイエンティストとして活躍するために資格は必要あるのでしょうか?

●結論として、データサイエンティストとして就職するために、取得しなくてはいけないような資格はありません。しかし、関連する資格の取得を目指すことで、その企業独自のノウハウではなく理屈から学べるため、基礎が固まり応用力のある人材になれるのです。

企業で教えられることだけでは、その企業で必要となるやり方のみを知っている状態であるため、それ以上の業務についてはまったくわからなくなってしまいます。もしも異なる企業に就職した場合など、応用が必要となったときに、経験がいかせなくなってしまいかねません。

また、今後のキャリアアップにもつながります。転職する際にも、自身がデータサイエンティストに必要な実務能力や知識があることを証明できます。一部の業務領域では資格が必須とされているものもあるため、有利になるでしょう。

データサイエンティストに関連した資格には、初心者でも取得可能な難易度の低いものから、しっかりとした知識やスキルが必要となる高難易度なものまであります。すでにデータサイエンティストとして活躍している方も、自身のレベルにあわせた難易度の資格取得を目指すといいでしょう。

データサイエンティストに有利な資格・難易度

ここからは、データサイエンティストに有利となる資格を解説します。

● 『データサイエンティスト検定』
● 『データベーススペシャリスト試験』
● 『オラクルマスター』
● 『OSS-DB技術者認定試験』
● 『統計検定』
● 『G検定・E資格』
● 『Python3 エンジニア認定データ分析試験』

これらのデータサイエンティストにおすすめの資格について、資格の特徴と難易度をあわせてチェックしていきましょう。

『データサイエンティスト検定』

データサイエンスに特化した資格が、2021年9月から開始した『データサイエンティスト検定』です。データサイエンティストの認知度や需要の向上によって、データサイエンティスト協会が実施することとなった民間試験で、注目を集めています。

レベルが4つ用意された検定であるものの、現在のところはレベル1のみが実施されています。出題内容は、データ加工・機械学習・データ分析・エンジニアリング・数理統計学・ビジネスなどです。現在実施されているレベルは初心者向けであるため、挑戦しやすいでしょう。

『データベーススペシャリスト試験』

データベースの設計や管理に関する試験が、『データベーススペシャリスト試験』です。IPA(情報処理推進機構)が運営している国家資格試験で、 データベースを企画・要件定義・開発・保守するために必要な知識とスキルが認定されます。

『データベーススペシャリスト試験』は難易度が高い試験です。ある程度の業務経験がある方など、データサイエンティストとしてのキャリアアップを目指す場合におすすめします。

『オラクルマスター』

オラクルデータベースの管理に必要な知識・技術が評価される資格試験が『オラクルマスター』です。オラクルデータベースは日本オラクル社が提供しているデータベースで、多くの企業が利用しています。エンジニアやプログラマーから注目を集めている、資格保持者が多い試験です。

試験内容は、データベースの構築運用・SQLによるデータ抽出・データベースの管理などで、データベースに関する知識を網羅できます。4つのレベルが用意されていて、基礎となるBronzeの合格にも相当な学習量が必要です。Silver以上への合格によって、世界で通用する『Oracle Certification Program』による認定が受けられるため、キャリアアップにつながるでしょう。

『OSS-DB技術者認定試験』

オープンソースデータベース(OSS-DB)関連の技術力や知識を認定する試験が、『OSS-DB技術者認定試験』です。合格により、『IT技術者認定資格』という民間資格を取得できます。この資格を取得することで、Web上でソースを公開しているソフトウェアのデータベースを扱える、幅広い知識を持った人材として評価されるようになります。

『統計検定』

統計学に関する知識・応用力を認定する試験が『統計検定』です。日本統計学会によって実施されているもので、習熟度に応じて5つのレベルが設けられています。

この準1級がデータサイエンスの基礎知識相当です。2級が大学基礎統計学の知識・問題解決力に相当します。準1級の受験には2級に合格する必要があるため、まずは2級から始めると良いでしょう。

『G検定・E資格』

『G検定』『E資格』とは、AI技術の知識やスキルを認定する試験です。『G検定』では、AIを活用するスキルを証明できます。一方、『E資格』はAIを開発するスキルを証明する資格です。

機械学習・深層学習に関するスキルも、 データサイエンティストに必要とされます。『G検定』『E資格』の受験によりこれらが網羅できるため、AIに関する仕事をするデータサイエンティストになりたい方におすすめです。

『Python3 エンジニア認定データ分析試験』

『Python3 エンジニア認定データ分析試験』は、プログラミング言語である『Python』を活用したデータ分析の基礎などを問う試験です。『Python』は少ないコードで簡潔にプログラムを作成できるプログラミング言語で、汎用性が高くて大変人気があります。

この試験は、2020年に開始されたばかりです。難易度は高くないため、Pythonやプログラミングに関する知識が少ない方が挑戦してみる際に向いているでしょう。

まとめ:自分にあった難易度の資格を取得しよう

データサイエンティストとは、統計学などを活用してデータから必要な情報を収集・分析をおこなう専門家のことです。多くの情報のなかから必要な内容だけをピックアップして分析することで、ビジネスの課題点や事業戦略を検討するためにデータを活用します。

データサイエンティストとして就職するために取得必須の資格はありません。しかし関連する資格の取得を目指すことで、基礎が固まり応用力のある人材になれること、キャリアアップにつながること、転職に有利になることといったメリットがあります。

今回ご紹介した資格を参考にして、データサイエンティストとしてのスキルアップのために取得を目指してみることをおすすめします。

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