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今さら聞けない!『Salesforce 認定アドミニストレーター』

コラム

掲載日:2022/12/27

Salesforce管理者向けの基本認定資格である『Salesforce 認定アドミニストレーター』は、スペシャリストを目指す入口にあたる資格です。本記事では、この資格の概要やメリット、取得のための勉強方法まで、幅広く解説します。

『Salesforce 認定アドミニストレーター』の資格とは

『Salesforce 認定アドミニストレーター』は、Salesforceの各種アプリケーションを理解し、機能を使いこなして実装、管理できるシステム管理者であることを証明する資格です。

『Salesforce 認定アドミニストレーター』は、Salesforceシステム管理者の経験があり、一定のスキルと概念を実践的に応用したことがある個人が対象です。受験ガイドによると、「エンドユーザが利用できる機能と、Salesforceシステム管理者が利用できる設定オプションについての一般的な知識が必要」とされ、以下のような受験資格が定められています。

● 指定のトレーニングを修了しているか同等の経験がある
● Salesforceシステム管理者として6か月以上の経験がある

指定のトレーニングは、salesforce.comまたは認定パートナーのトレーニングセンターで実施される「Salesforce 管理I- [前編]/[後編] (ADX201) 」と言うプログラムです。ただし、これらのプログラムを受講せず、実務経験もなかったが、独学で合格できたと言う事例も報告されています。

試験の詳細と評価項目

試験は、多肢選択または複数選択式の60問を105分で解く形式で、合格ラインは正答率65%と明示されています。日本語での受験が可能で、受験料は20,000円(税抜)です。試験中、印刷物やオンライン資料の参照はできません。試験範囲は、Sales CloudやService Cloudのアプリケーションをはじめとして、幅広く網羅されているため、システム管理者やエンドユーザとしての経験があっても、それだけでは合格は難しいとされています。

受験ガイドによると、受験者は、Salesforceの以下の機能を実際に利用した経験が必要です。試験では、これらの項目についての知識とスキルが評価されます。

● 組織の設定
● ユーザの設定
● セキュリティとアクセス
● 標準オブジェクトとカスタムオブジェクト
● 営業アプリケーションとマーケティングアプリケーション
● サービスアプリケーションとサポートアプリケーション
● 活動の管理
● データの管理
● 分析ーレポートとダッシュボード
● ワークフロー/プロセスの自動化
● デスクトップとモバイルの管理
● APPEXCHANGE

『Salesforce 認定アドミニストレーター』取得のメリット

『Salesforce 認定アドミニストレーター』の資格を取得することによって、Salesforceに関する知識やスキルを証明できるほか、より効率的な運用を図ることができ、同僚や他のメンバーの教育ができるなどのメリットが生まれます。知識やスキルの証明は、IT業界で転職する際にも有利になるでしょう。

Salesforceの資格を持っていれば、新製品のリリースについて最新の情報を常に入手することが可能です。『Salesforce 認定アドミニストレーター』を手始めに、さらに上位の資格を取得すれば、昇進や昇格、よりよい待遇の企業への転職などの期待も高まるでしょう。

Salesforceの公式サイトでは、『Salesforce 認定アドミニストレーター』をはじめとした各種資格の、企業ごとの保持者数が明らかにされています。資格取得者を採用するとSalesforceが情報発信してくれるため、企業にとってもIT市場でのアピールにつながるメリットがあります。

『Salesforce 認定アドミニストレーター』試験で負担となる点

『Salesforce 認定アドミニストレーター』の資格を取得するデメリットは特にありませんが、負担になることがあるとすれば、以下のような点です。

● 学習に時間が必要
● 受験に費用がかかる
● 資格を更新しないと失効する

『Salesforce 認定アドミニストレーター』の資格を取るまでには、出題範囲の把握や過去問題の演習などに時間が必要です。実務経験の長さなどによって、必要とする時間は異なりますが、合格を確実にするには、ある程度の学習量が求められるでしょう。具体的な勉強方法については後述していますので、参考にしてください。

前出のとおり、『Salesforce 認定アドミニストレーター』の受験には、20,000円(税抜)の受験料がかかります。これもデメリットの1つに数えられるでしょう。『Salesforce 認定アドミニストレーター』は、1年に1回の更新が必要です。更新しないでいると、資格は失効してしまいます。

資格の更新は、Trailhead の更新モジュールを完了することで行います。更新モジュールの提供期間は、提供開始後1年間であるため、期間内に更新しなければなりません。

『Salesforce 認定アドミニストレーター』試験のデメリットについて説明してきましたが、Salesforceに関する知識やスキルがあることは資格によって証明できるため、IT関連業界で仕事をするうえでは資格を取得していればデメリットよりもメリットのほうが多いでしょう。

『Salesforce 認定アドミニストレーター』の勉強方法を解説

保有するメリットの多い『Salesforce 認定アドミニストレーター』の、試験に合格するための勉強法について解説します。事前準備から、基礎知識の習得、Salesforceの推奨する自習教材の利用、模擬試験の受験に至るまでの流れを、以下にご紹介します。

1.試験範囲と出題問題の割合を把握しておく

受験前に、試験の概要と範囲を確認しておきましょう。Salesforceは受験ガイドの中で、試験範囲のほか、出題割合も明示しています。出題される項目を知り、出題の割合を把握することで、効率的に学習できます。出題割合は、以下のとおりです。

● 組織の設定 3%
● ユーザの設定 7%
● セキュリティとアクセス 13%
● 標準オブジェクトとカスタムオブジェクト 14%
● 営業アプリケーションとマーケティングアプリケーション 14%
● サービスアプリケーションとサポートアプリケーション 13%
● 活動の管理 3%
● データの管理 10%
● 分析ーレポートとダッシュボード 10%
● ワークフロー/プロセスの自動化 8%
● デスクトップとモバイルの管理 3%
● APPEXCHANGE 2%

出題割合の高い分野からマスターしていくことで、効率よく合格に近づけるでしょう。出題割合の高い4分野について、受験ガイドに示された評価項目は以下のとおりです。

【セキュリティとアクセス】
● 組織のセキュリティのさまざまなオプションについて説明
● シナリオに従って、Salesforce の共有モデルの機能に基づいた適切なセキュリティ制御を適用
● シナリオに従って、カスタムプロファイルや権限セットの適切な使用方法を判断
● コミュニケーションテンプレート、ダッシュボード、レポートのフォルダの構成方法について説明

【標準オブジェクトとカスタムオブジェクト】
● 標準オブジェクトのアーキテクチャとリレーションモデルを説明
● カスタムオブジェクトと標準オブジェクトで、項目、ページレイアウトを作成、削除、カスタマイズする方法など
● シナリオに従って、カスタムオブジェクトと標準オブジェクトのページレイアウトなどを判断

【営業アプリケーションとマーケティングアプリケーション】
● シナリオに従って、セールスプロセスの機能と影響を特定
● シナリオに従って、営業効率向上に役立つ適切な機能を特定
● 商品と価格表はどのようなときに使用すべきか説明
● リードの自動化機能やキャンペーンの管理方法を説明
● Salesforce コンテンツの機能を説明

【サービスアプリケーションとサポートアプリケーション】
● ケース管理の機能を説明
● シナリオに従って、ケース管理の自動化の方法を特定
● Salesforceナレッジの機能を説明
● Experience Cloudサイトの機能を説明

「標準オブジェクトとカスタムオブジェクトの違い」や「データをインポートする際のふたつの方法の違い」などは、頻出問題とされています。試験形式は選択式のみなことも重要なポイントです。

2.過去問題集や英語問題を繰り返し解く

『Salesforce 認定アドミニストレーター』の受験でも、過去問題を繰り返し演習する方法は有効です。SalesforceはTrailheadと言う学習環境を用意しており、その中で、シナリオと対話型フラッシュカードを利用した学習プログラムが利用できます。

Trailheadには、『Salesforce 認定アドミニストレーター』試験のインタラクティブ型模擬試験が準備されており、実際の試験と同じ形式で問題に取り組めます。回答を送信すると結果が表示され、不得意分野が明らかになるため、今後の学習で重点を置くべき領域を絞ることが可能です。この模擬試験の出題は英語ですが、挑戦してみてください。

ITコンサルタント系企業の中には『Salesforce 認定アドミニストレーター』の学習用コンテンツを提供している会社もあります。これらを利用して問題を繰り返し解くことで、Salesforceの用語をマスターすることができ、高度な知識が定着して、合格に近づきます。

3.模擬試験で試験の雰囲気を感じる

ある程度学習が進んだら、模擬試験で実際の試験に近い雰囲気を感じておくのがおすすめです。実際の試験は、オンサイトまたはオンラインでコンピューターを使った方式で実施されます。ネット上で『Salesforce 認定アドミニストレーター』の模擬試験を提供しているサイトがあります。雰囲気や傾向をつかむ参考程度のものと考えて、わからなかった問題や不正解だった問題は、Salesforceの公式ページに掲載されているTrailheadを活用するなどして、正解を探し出すようにしましょう。

まとめ: 『Salesforce 認定アドミニストレーター』を取得してキャリアを輝かせよう

『Salesforce 認定アドミニストレーター』は、一定以上のSalesforceに関する知識とスキルを証明する資格で、取得者はIT業界で高く評価されています。Salesforceのスペシャリストとなって、より高度な職種への飛躍を目指す人はもとより、社内での昇進・昇格や、高待遇の企業への転職を検討している人にも、おすすめの資格です。『Salesforce 認定アドミニストレーター』を取得して、キャリアを光り輝くものにしましょう。

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