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エンジニアとプログラマーの違いとは?仕事や年収・資格の違いを解説

コラム

掲載日:2024/10/25

IT業界を目指している人や、IT業界に入って間もない人の中には、「エンジニアとプログラマーって何が違うの?」と疑問を持っている人も多いでしょう。エンジニアとプログラマーは混同されることもありますが、その役割や求められるスキルは異なります。IT業界での活躍を目指すなら、両者の違いをぜひ理解しておきましょう。

本記事では、5つの観点でエンジニアとプログラマーの違いを解説した上で、それぞれに向いている人の特徴も紹介していきます。

エンジニアとプログラマーは役割に違いがある

エンジニアとプログラマーは、どちらもシステム開発を担うIT技術者の職種ですが、その役割や求められるスキルは異なります。これからIT業界を目指す人や、IT技術者になったばかりの人の中には、エンジニアとプログラマーを混同している人も多いのではないでしょうか。

なお、本記事で触れる『エンジニア』とはITエンジニアのことであり、製造系や機械系のエンジニアではありません。また、特に記載のない限り、ITエンジニアの中でも『システムエンジニア』を指しています。

エンジニアは、システム開発のプロセス全体に関与し、要件定義から設計、システムテストまで幅広く携わる職種です。一方、プログラマーはエンジニアが作成した設計書に基づいて、プログラムの実装やデバッグを行います。これは一般的な役割の違いであり、実際のエンジニアとプログラマーの境界は企業や現場によってさまざまです。

こうした役割の違いは、日々の業務内容や求められるスキル、待遇などにも影響します。ここから、5つの観点でエンジニアとプログラマーの違いを見ていきましょう。

エンジニアとプログラマーの違い1:仕事内容

1つ目は、エンジニアとプログラマーの『仕事内容』の違いです。

先に紹介したようにエンジニアとプログラマーは役割が異なるため、それを実現するための仕事内容も異なります。

それぞれの主な仕事内容を見ていきましょう。

エンジニアの仕事内容

エンジニアは、システム開発のプロセス全体を俯瞰し、多岐にわたる業務を担う職種です。その仕事内容は、プロジェクトの始まりから完了まで、幅広い範囲に及びます。

主な仕事内容は以下のとおりです。

● クライアントへの要件ヒアリング
● 要件に基づく設計
● 技術的な問題解決
● システムテストとリリース推進

これらの業務を通じて、エンジニアはシステム全体の品質と機能を保証する役割を担っています。

プログラマーの仕事内容

プログラマーは、システム開発においてプログラムの実装周りを中心に担当する技術者です。エンジニアが作成した設計書に基づいて、実際のプログラムコードを書き、テストまでを担います。

主な仕事内容は以下のとおりです。

● 設計に基づくコーディング
● デバッグ
● バグの修正
● コードの最適化

これらの業務を通じて、プログラマーは要件や設計という形のないものを、プログラムという実際に動くものに変える役割を担います。

エンジニアとプログラマーの違い2:スキル

2つ目は、エンジニアとプログラマーに必要な『スキル』の違いです。

エンジニアとプログラマーのどちらが難しい、または簡単というものではなく、役割に応じて求められる専門性が異なります。

それぞれに求められる代表的なスキルを紹介します。

エンジニアのスキル

エンジニアはシステム開発の全工程に携わるため、幅広い知識とスキルが必要です。それは、技術面だけでなく、マネジメントやコミュニケーションにまで及びます。

主なスキルは以下のとおりです。

● プロジェクト管理におけるマネジメントスキル
● 担当システムに関わる技術・知識
● 高度な設計能力
● クライアント業務の理解
● 開発を円滑に進めるコミュニケーション能力

これらのスキルを駆使して、エンジニアはさまざまな課題を解決しながら、システム開発を円滑に進めます。

プログラマーのスキル

プログラマーは、プログラミングのスペシャリストとして、高度な専門スキルが必要です。プロジェクトで使われるプログラミング言語やフレームワークを駆使して、効率的かつ高品質なコードを書く力が求められます。

主なスキルは以下のとおりです。

● 高度なプログラミングスキル
● ライブラリやフレームワークの活用スキル
● 論理的思考力・問題解決力
● スキルに対する向上心

プログラマーはこうしたスキルを活かして、高品質なシステムの開発に貢献します。

エンジニアとプログラマーの違い3:年収

3つ目は、エンジニアとプログラマーの年収の違いです。

IT技術者の世界では、一般的に開発やテストなどの下流工程よりも、要件定義や設計などの上流工程のほうが年収が高い傾向にあります。そのため、エンジニアとプログラマーでも、上流工程を担うエンジニアのほうが一般的に高年収です。

それぞれの平均年収を見ていきましょう。

エンジニアの年収

厚生労働省が公表している賃金構造基本統計調査の2019年版によると、システムエンジニアの平均年収は『568.9万円』でした。

同調査による全職種の平均年収は500.7万円となっており、システムエンジニアはおよそ70万円高いことがわかります。

参考:e-Stat賃金構造基本統計調査(2019年)職種産業計

プログラマーの年収

同じく、賃金構造基本統計調査の2019年版によると、プログラマーの平均年収は『425.8万円』でした。

エンジニアに比べるとおよそ140万円、全職種の平均と比べてもおよそ75万円ほど低い結果となりました。一般的に高年収のイメージがあるIT技術者ですが、プログラマーは年収水準が低めであることがわかります。

参考:e-Stat賃金構造基本統計調査(2019年)職種産業計

エンジニアとプログラマーの違い4:資格

4つ目は、エンジニアとプログラマーに役立つ資格の違いです。

エンジニアやプログラマーとして働く上で、資格の取得は必須ではありません。資格がなくても第一線で活躍している人はたくさんいます。

しかし、資格取得はIT技術者としての価値を高め、キャリアの幅を広げる有効な武器になるでしょう。

それぞれに役立つ資格を紹介します。

エンジニアの資格

エンジニアには、要件定義や設計、技術スキルに関する資格がおすすめです。

国家資格では、『応用情報技術者』『システムアーキテクト』『プロジェクトマネージャー』などが挙げられます。特定の言語やベンダーに依存しないため、幅広いエンジニアに役立つ資格です。

また、民間資格では『AWS認定資格』『オラクルマスター』『シスコ技術者認定』などがあります。自身の役割や担当プロジェクトで用いる製品・技術に関連する資格の取得が有効です。

プログラマーの資格

プログラマーには、プログラミング言語や開発工程に関する資格がおすすめです。

国家資格なら、『基本情報技術者』『応用情報技術者』などが良いでしょう。実装に限らずシステム開発全般の基本的な知識や応用力を身につけることが可能です。

民間資格では、『PHP技術者認定試験』『Python3エンジニア認定』『Ruby技術者認定試験』などがあります。担当する開発プロジェクトで使う言語や、今後武器にしていきたい言語の資格を選ぶと良いでしょう。

エンジニアとプログラマーの違い5:キャリアパス

最後は、エンジニアとプログラマーのキャリアパスの違いです。

エンジニアやプログラマーになるためのキャリアパスや、その後のキャリアパスは人によって多種多様です。ここでは代表的なケースを紹介します。

エンジニアのキャリアパス

エンジニアになる人の多くは、まずプログラマーとしての経験を積んでからキャリアアップします。システム開発の全体を推進するためには、その土台となるプログラミングの知識や経験は有効です。ただし、新卒やIT未経験から直接大手IT企業や事業会社のIT部門に入社した場合には、プログラマー経験なしでエンジニアからキャリアをスタートする場合もあります。

エンジニアとして経験を積んだあとは、プロジェクトマネージャーやシステムアーキテクト、ITコンサルタントなど、マネジメントやより専門性の高い職種へステップアップするケースが多いでしょう。近年はエンジニアの分野も多様化しており、自身の経験や興味を活かせる道を見つけることが、満足度の高いキャリアパスを歩むポイントです。

プログラマーのキャリアパス

プログラマーは、IT技術者の入門職として、新卒やIT未経験者が最初に従事することの多い職種です。将来的にエンジニアやプロジェクトマネージャーを目指す場合でも、プログラマーとしてシステム開発の根幹部分を知ることは大いに役立ちます。

プログラマーとして経験を積んだあとは、エンジニアにステップアップするケースが多いでしょう。もちろん、他の職種に変更せずにプログラミングのスペシャリストとして技術を極める道もあります。高い技術力があれば、フリーランスのプログラマーとして独立したり、コンサルタントとして企業に助言したりして活躍することも可能です。知識と経験を積むことで、自身のスキルや志向に応じたキャリアを選べます。

エンジニアとプログラマーはどちらに向いているかをチェック

エンジニアとプログラマーの違いを理解したものの、自分がどちらに向いているのか、迷っている人も多いでしょう。ここでは、それぞれの職種に向いている人の特徴を紹介します。

システム開発全体を推進するエンジニアに向いている人の特徴は、以下のとおりです。

● 人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めるのが好き
● クライアントのビジネスにも興味を持てる
● リーダーシップを発揮してチームをまとめられる

一方、効率的かつ高品質なコードを書くスペシャリストであるプログラマーに向いている人の特徴は、以下のとおりです。

● 集中して作業をするのが得意
● 新しい技術を積極的に習得するのが好き
● コードの細かな部分にまで注意を払える

これらの資質を持っている人が成功しやすい傾向にありますが、当てはまらなくても問題はありません。興味と情熱を持って取り組めば活躍することは可能です。

まとめ|エンジニアとプログラマーの違いを知って挑戦しよう

本記事では、エンジニアとプログラマーの違いを5つの観点で解説してきました。

エンジニアとプログラマーは、ともにシステム開発になくてはならない重要な職種です。エンジニアは要件定義から設計やテストなど工程全体に携わって、開発を推進します。一方、プログラマーはプログラミングやデバッグの実装部分を担うスペシャリストです。

紹介した5つの違いと向いている人の特徴を参考に、自身のスキルや志向にあったキャリアをご検討ください。

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