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ICTとは?ITやIoTとの違いや注目される理由、活用事例を簡単に解説!

コラム

掲載日:2024/8/27

ICTとは「情報通信技術」という意味を持つ言葉です。友人・知人との連絡はもちろん、企業間でやり取りされるデータなど、さまざまな情報の共有や伝達を実現するICTは、私たちの生活にとってなくてはならない技術と言えます。さらに企業や組織をはじめ、国や地方自治体が抱える課題を解決する手段としても注目されている技術です。

この記事では、ICTの詳細を把握したいエンジニアの方に向けて、概要や類似用語との違いをはじめ、注目される理由や活用事例などを解説します。ぜひ参考にしてください。

ICTとは

ICTとは「Information and Communication Technology」の略語であり、日本語では情報通信技術という言葉に訳されます。「Communication」は通信という意味を持つ言葉ですが、ICTには技術としての通信だけではなく「人間と人間」あるいは「人間とモノ」などが情報を共有したり、伝達したりすることも含んでいます。

ICTと聞くと難しく感じる方もいるかもしれません。しかし、私たちは普段から家族や友人とSNSやメッセージアプリでやり取りを行っているはずです。さらにビジネスでは、PCやタブレットなどのデバイスを利用して、書類作成やテレビ会議などを行っています。このように、インターネットやネットワークをはじめ、さまざまなソフトウェアやハードウェアを活用することでコミュニケーションを実現する技術が「ICT」です。

昨今、クラウドサービスやAIなど新たなICT関連の技術が普及しはじめています。ICTを活用することにより、私たちの生活や仕事の在り方など、あらゆるものが大きく変わろうとしています。

ICTと類似用語の違いを簡単に解説

ICTには、さまざまな類似用語があります。ここではICTと類似用語である「IT」や「IoT」との違いについて解説します。

ITとの違い

ITは「InformationTechnology」の略語であり、日本語では情報技術という言葉に訳されます。このITは、ソフトウェアやハードウェアなど情報技術そのものを表す言葉です。日本では「ITエンジニア」や「IT企業」などのように、ビジネスや分野などの意味も含んでいます。

一方でICTは、インターネットやネットワークなど「通信を活用したコミュニケーション」にフォーカスしている点が特徴です。

ただし、それぞれ明確な区別や定義はありません。また、国際的には「IT」よりも「ICT」がスタンダードな言葉として利用されています。

IoTとの違い

IoTとは「Internet of Things」の略語であり、日本語では「モノのインターネット」という言葉に訳されます。ややわかりにくく感じるかもしれませんが、簡単に言えば現実世界に存在するさまざまなモノがインターネットにつながることを指す言葉です。

例えば、外出先からスマートフォンを介して操作できる家電や、私たちのさまざまな生体情報を収集・分析してくれるApple Watchなどのウェアラブルデバイスは、IoTの代表的な事例と言えます。

IoTはさまざまなモノから収集したデータをインターネット経由で送り、それらのデータを分析・活用することで新たな価値を生み出します。この「IoT」もICTを構成する要素の一つですが、IoTのつながる対象は「モノ」に限定される一方で、ICTは人間も含む点が違いと言えるでしょう。

ICTが注目される理由

現代において、ICTはなくてはならない技術の一つです。ここでは、ICTが注目される理由を3つにまとめて解説します。

さまざまな社会課題の解決

日本は、急速に少子高齢化および労働人口の減少が進んでいます。さらに地域格差も解決しなければならない社会課題の一つです。ICTを活用すれば、時間や距離という制約をクリアできるため、さまざまな課題を解決できる可能性があります。

例えば、家族などの介護や自らの障害などで自宅からの移動が困難な人は、テレワークを活用すれば地理的な制約から解放されます。その結果、どのような人であっても、就労できる可能性を高められるでしょう。また、ICTの活用により「働く場所=居住する場所」という常識もなくなるため、東京一極集中ではなく地方創生を実現できる可能性もあります。さらに労働人口や生産性の低下に対しては、AIの活用で改善を期待できるでしょう。

このようにICTは、現在の日本が抱えているさまざまな社会課題を改善・解決できる可能性を持っているため注目されているのです。

生産性の向上

ICTを活用すれば、生産性向上によるコスト削減や利益増大が期待できます。

アナログな方法で行う業務は、時間がかかるだけではなくミスが付きものです。どれだけ完璧なマニュアルやルールを整備しても、人の手に頼る以上、ミスは発生します。しかし、ICTを活用すれば、業務自動化や補助によりさまざまな作業を効率化可能です。その他にも、入力内容のチェック機能により、誤入力データの修正など不要な作業を抑えられます。

また、ICTは社員間におけるコミュニケーションの円滑化や多様化にも効果を発揮します。具体的には、テキストチャットやテレビ会議などの活用により、必要なときに最適な手段でコミュニケーションをとることが可能です。

ICTを活用して、ヒューマンエラーを防ぎ、働きやすい環境を整えることで、生産性向上を実現できるでしょう。

新たな価値の創出

ICTを活用すれば、これまでは存在しなかった、あるいは実現が難しかった新たな価値を持つサービスを実現可能です。

日本で2020年に商用化された通信規格である「5G」は、従来型の4Gと比較すると「高速大容量」「低遅延」などの特徴を有しています。この5Gを活用すれば、自宅にいながらまるで現地でスポーツやライブ映像を観戦しているかのような極めて鮮明な映像をリアルタイムで視聴可能です。

また、教育分野においてICTは、デジタル教科書や電子黒板、視覚障害がある子ども向けの音声読み上げなど、教育の質を向上するために必要不可欠な技術となっています。

ICTの活用事例

ICTは、私たちの身近なところで活用されています。ここでは、ICTの活用事例を紹介します。

自動走行車

自動走行車は、インターネットへの接続や各種センサーの搭載など、ICTを活用している事例の一つです。

自動走行車は、世界でも大きな注目を集めている技術です。米国のテスラ社をはじめ、国内ではトヨタ自動車や本田技研工業、日産自動車などさまざまな自動車メーカーが自動走行車の開発に取り組んでいます。

この自動走行車の中核技術と言える自動運転支援システムは、多数のカメラやセンサーで情報を収集しながら、自動車を取り巻く環境をAIで判断しています。また、道路や交通状況に関する情報をインターネットからリアルタイムで取得するなど、さまざまなICT技術を活用することで、刻一刻と変化する状況に対応した運転を実現しているのです。

災害救助ロボット

水害や地震などの災害時に活躍する災害救助ロボットも、代表的なICTの事例です。

自然災害大国である日本にとって、災害救助は重要な社会課題の一つと言えます。二次災害のリスクを防ぎつつ、人命救助や被害拡大防止を行う災害救助ロボットは、カメラ映像で撮影した画像・映像をリアルタイムで送信可能です。これにより、災害現場の状況把握・分析を実現します。

また、昨今ではドローンやAIなどの活用により、立ち入ることが難しい現場でも遠隔地からコントロールできたり、人間の指示を待たずとも現場で最適な行動をとれたりするロボットの研究も進んでいます。

このようにICTを活用した災害救助ロボットは、人間にとって不可能な作業、あるいは高リスクな作業の遂行や救助作業の自動化を実現できます。

遠隔医療

医師不足や医療格差を解決する手段として注目されている遠隔医療も、ICTを活用しています。

海外諸国と比較しても日本は医師不足であり、都道府県などの地域によっても医師の充足度は大きなバラつきがあるのです。この医師不足は、患者がすぐに必要な医療を受けられないだけではなく、提供できる医療の質にも差を生じさせてしまいます。

しかし、ICTを活用した医療機器やシステムの誕生により、遠隔地にいる医者が患者の診察や手術を行うことも可能となりつつあります。例えば、前述した「5G」は超高精細な映像をリアルタイムでやり取り可能です。さらに、遠隔地から操作できる手術ロボットにより、どのような地域であっても質が高い医療を受けられます。

このように解決が難しい社会問題についても、ICTを活用すれば新たな解決手段を見出すことが可能です。

まとめ:ICTを活用してさまざまな課題を解決しよう

本記事では、ICTの概要や注目される理由をはじめ、活用事例などを解説しました。

ICTは私たちの生活にとってなくてはならない技術であり、現在もなお進化し続けているのが特徴です。日本は人口減少や少子高齢化をはじめ、さまざまな社会課題が山積しています。生産性向上や業務効率化の実現を後押しするICTは、これらの課題を解決するために必要不可欠な技術と言えるでしょう。

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