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システムエンジニア(SE)に必要な資格は?キャリアアップに役立つ?

コラム

システムエンジニア(SE)になるには、特別な資格は必要ありません。しかし、将来性やキャリアアップを見据えると、必要な資格を持つことはいずれメリットになるでしょう。本記事ではおすすめ資格を含めて詳しくご紹介します。

システムエンジニア(SE)になるには必要な資格があるのか?

システムエンジニア(SE)は、エンジニアの中でも上流工程を担う職種です。クライアントの要望を聞き、要件をまとめ、システムの設計を決めていく仕事であり、プログラミングにだけ長けていればよいわけではありません。

システムエンジニア(SE)になるのに必要な資格と言うのは、とくにありません。エンジニア向けの資格にはさまざまなものがありますが、そういった資格を持たずにシステムエンジニアとして働いている人もいます。

逆に、現状の仕事だけではなく、キャリアアップを見据えて資格を取っておくと、将来的に役立つこともあるでしょう。

システムエンジニア(SE)と一口に言っても、どのようなシステムを構築するかによって、必要なスキルや知識が異なります。クライアントの求める事項をしっかり聞き出すため、コミュニケーション能力も求められます。システムエンジニア(SE)として活躍する上で大事なのは、資格よりも、幅広い知識と経験です。

システムエンジニア(SE)が資格を取得するメリット3つ

前述のとおり、システムエンジニア(SE)になるために必要な資格は、ありません。ただし、資格を持っていると、キャリアアップとして有利 になる場面があります。以下に、システムエンジニア(SE)が資格を取得するメリットを3点挙げ、説明します

1.対外的にスキルを証明できる

システムエンジニア(SE)が資格を取得するメリットのひとつに、対外的に自分のスキルを証明できることがあります。システムエンジニア(SE)は免許制でもなく、スキルや知識を他人に認めてもらうのが難しい職種です。資格を取得していれば、一定レベルの知識を身に付けていることが、客観的に証明できます。

自分の能力をアピールする必要がある局面でも、資格の保有は有効です。学習意欲のある人間であることを、相手に意識づけたいときにも使えます。

2.給料アップに繋がりやすい

多くのIT系企業では、資格を取得すると手当がもらえたり、資格取得のための費用が支給されたりする事例があります。同じ仕事をしていても、資格があれば月給が上がるわけですから、資格取得は直接的なメリットです。

また、会社によっては月額給与に一定金額が手当として毎月加算されるなど、資格取得に対するインセンティブはさまざまあります。

3.転職時に役に立つ

システムエンジニア(SE)としてのスキルを裏付けられる資格を保有することは、転職を考える際に役立ちます。資格があることで、一定の知識やスキルがあることをアピールできるほか、システムエンジニア(SE)と言う仕事に対する熱意を訴えかけることも可能です。

高度な資格を取得していることにより、転職の際に、他のシステムエンジニア(SE)との比較で優位に立てる可能性があります。未経験からシステムエンジニア(SE)への転職を志望する場合も、資格を持っていれば、努力が評価されて好アピールとなるでしょう。

システムエンジニア(SE)がスキルアップに役立つおすすめな資格

この項では、おすすめの資格を具体的にご紹介します。システムエンジニア(SE)向けの資格には、国家資格と民間資格の2種類があります。国家資格は、システムエンジニア(SE)としての知識やスキルについて、国の「お墨付き」を得られるため、信頼度も高く、転職などで有利に働くのです。民間資格はベンダー資格とも呼ばれ、サービスや製品に特化して企業や団体が認定するものです。特定領域でのスキルをアピールしたい場合には、民間資格が有効なこともあります。

ここでは国家資格に絞って、システムエンジニア(SE)がスキルアップするために役立つ資格4つについて解説します。

1.基本情報技術者試験(FE )

システムエンジニア(SE)向けの、最も基礎的な資格が基本情報技術者試験(FE)です。経済産業省が認定する国家試験「情報処理技術者試験」のひとつで、初心者向けとされています。「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能を備え、実践的な能力を持つこと」が認定される資格で、エンジニアに必要とされる基礎的知識が問われる試験です。

C言語によるプログラミングの基礎問題も出題され、ITエンジニアへの「入口」として、新入社員に受験を推奨しているIT企業もあります。難易度はそれほど高くなく、令和4年度春期の合格率は39.6%でした。

2.応用情報技術者試験(AP )

応用情報技術者試験(AP)は、情報処理技術者試験の中級編に当たるものです。基本情報技術者試験の上位資格で、出題範囲も技術だけでなく経営、管理など広範囲に及びます。知識に加えて、応用力を備えたITエンジニアであることを証明できる資格です。

基本情報技術者試験は択一式で答える問題しか出題されませんが、応用情報技術者試験は記述式の問題も出題されます。基本情報技術者試験に合格した人がレベルアップを目指す場合、第一におすすめしたい資格です。難易度は中程度とされ、令和4年度春期の合格率は24.3%でした。

3.システムアーキテクト試験(SA)

システムエンジニア(SE)が実際に取り組むことの多い、上流工程に関する資格がシステムアーキテクト試験(SA)です。こちらも情報処理技術者試験の区分のひとつで、アーキテクトは「設計する」「設計者」といった意味を持ちます。上流工程はシステム開発の根幹を担う、重要なパートです。クライアントの要望を仕様として取りまとめ、提案していかなくてはなりません。

この資格は情報システムや組み込みシステムの設計をしたり、システム開発を主導したりするポジションを目指す人におすすめです。試験では要件定義や、情報システムと組み込みシステムに関する高度な専門知識が問われます。この資格を取得していれば、豊富な知識を背景とした的確な分析力と、業務ニーズを満たすシステム設計が行えるスキルの持ち主であることを証明できます。

システムアーキテクト試験を保有していると、上級システムエンジニア(SE)と認識され、収入アップや転職にも有利です。それだけに難易度は高めで、令和4年度春期の合格率は15.0%でした。

4.ネットワークスペシャリスト試験(NW )

ネットワークに関する技術を使って、システムの企画から保守まで行える人を対象とする資格が、ネットワークスペシャリスト試験(NW)です。この資格も情報処理技術者試験のひとつで、ITネットワーク技術者としてのスキルが認定されます。ネットワークシステムの構築や運用に携わっているITエンジニアにおすすめの資格です。

ネットワークシステムの構築や運用といった実務面が問われるだけでなく、ネットワークサービスの最近の動向なども出題されます。ネットワークスペシャリスト試験は難度が高く、合格者も少ない資格です。令和4年度春期の合格率は17.4%でした。この資格を保有していれば、ネットワークシステムに関する課題解決力を持つ、プロフェッショナルであることが証明できます。

システムエンジニア(SE)からプロジェクトマネージャーに転向したいときのおすすめ資格

この項では、システムエンジニア(SE)からプロジェクトマネージャーに転向し、プロジェクト計画の立案や計画全体の統括など、マネジメントを主とする業務を志す人におすすめの資格をご紹介します。

プロジェクトマネージャーは、クライアントと相対して提案や報告を行う場面が少なくありません。システム開発を進める上では、工程の遅れをはじめとした微調整もつきものです。システムエンジニア(SE)以上にコミュニケーション能力が重要となるプロジェクトマネージャーを目指すなら、以下のふたつの資格にチャレンジしてはいかがでしょうか。

1.PMP

PMPはプロジェクトマネジメント・プロフェッショナルの略称で、アメリカの非営利団体PMIが認定しています。PMPは、プロジェクトマネジメントの世界標準である知識体系「PMBOK」(Project Management Body Of Knowledge)に準拠し、IT業界に限らず、世界的な認知度も高い資格です。

PMBOKは、それまでまとまった考え方のなかった「プロジェクト管理」と言うものを、10の管理エリアと5つのプロセスに分けて、整理した考え方です。試験ではPMBOKの概念やプロセスの目的などが出題されます。

実務経験を重視した資格であり、受験には、プロジェクトマネジメント経験を含む実務経験が求められます。受験資格は、大学卒業相当で「36か月のプロジェクトマネジメント経験を含む、4500時間のプロジェクト指揮・監督経験」、高校卒業相当では「60か月のプロジェクトマネジメント経験を含む、7500時間の実務経験」が必要です。

PMPの合格率は約60%とされますが、受験するためのハードルが高いため、難関資格と位置づけられています。3年ごとに資格更新をしなくてはなりませんが、そのために最新の知識に都度アップデートできると言う利点もあります。

2.プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施している国家資格の1つです。プロジェクトマネージャ試験の対象者は、システム開発のプロジェクトを統括し、予算やスケジュール管理のほか、人員や成果物に対する評価なども行う責任者です。ただし、受験には年齢や経験の制限はなく、プロジェクトマネージャーとしての経験も問われません。

プロジェクトマネージャ試験で必要とされる知識・技能は、以下のとおりで、プロジェクト遂行の全工程に関する知見が試験範囲となっています。

● プロジェクトの立ち上げ
● プロジェクトの計画
● プロジェクトの実行
● プロジェクトの管理
● プロジェクトの終結

IPAによると、プロジェクトマネージャ試験は「レベル4」という、情報処理技術者試験の中でも最高難度の試験です。2021年度秋期の合格率は14.4% で、難関資格と言えるでしょう。試験は4部構成になっていて、時間配分は午前Ⅰが50分、午前Ⅱが40分、午後Ⅰが90分、午後Ⅱが120分の長丁場です。午前の試験は択一式ですが、午後は記述式と論述式になり、合格には4つの試験それぞれで60%以上 の正答率が必要とされます。

プロジェクトマネージャ試験の特徴として、合格すると他の国家資格の試験が一部免除になるという点が挙げられます。一部免除になるのは、弁理士、技術士(情報工学部門)、中小企業診断士の各試験です。

まとめ: 資格取得してキャリアアップをしていこう

システムエンジニア(SE)となるために必要となる資格はありませんが、資格を持っているとさまざまなメリットがあります。自らの知識やスキルを証明できる資格を取得しておくことにより、昇進・昇格や転職に役立つことは、その代表例です。資格には国家資格や民間資格があり、その中にも細分化されて多数が存在します。キャリアアップに役立つ資格を取得して、もう一段上のエンジニアを目指しましょう。

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