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ITエンジニアの種類や仕事内容からキャリアまで解説

コラム

ITエンジニアと言えば、転職先としての人気も高く、現代の花形と言える職業ですが、具体的な仕事内容は多くの種類に分かれていることをご存じでしょうか。本記事では、名前は似ているけれど細部は異なる各職種について、詳細に解説していきます。

ITエンジニアってどんな職種で種類があるの?

エンジニアとは元々、技術者を意味します。ITエンジニアは、IT技術に対して専門性を持った技術者のことです。コンピューターやソフトウェア技術を駆使して、情報技術に特化したシステム作りに携わる仕事です。ひと口にITエンジニアと言っても、さまざまな仕事があり、大まかには以下のような業務内容に分類されます。

● システム開発系
● 通信インフラ系
● WEB系
● 機械系
● ITコンサル系

システム開発系はソフトウェア開発が中心で、通信インフラ系はインターネットの基盤を担当します。WEB系はWEBコンテンツの企画開発が、機械系はロボットや電子機器の開発が主たる領域です。ITコンサル系は、企業に対してITに関するアドバイスを行います。

これらのITエンジニアは、担当分野や必要なスキルによって、さらに細分化されています。あらゆる分野にインターネットの利用が浸透し、老人から子供までスマホを持ち歩くような時代となっている現在、ITエンジニアの重要性はますます大きくなるばかりです。

以下に、主なITエンジニア10職種の仕事内容や特徴などを解説していきます。

1.システムエンジニア(開発エンジニア)

一般に「SE」と呼ばれ、システム開発全般に携わるのがシステムエンジニア(開発エンジニア)です。要件定義に始まり設計、開発、テスト、リリース、さらには運用と保守まで、開発の全分野にわたる知識が求められます。システムエンジニア(開発エンジニア)は、クライアントへのヒアリングから運用管理、開発チームの統括など、技術面に限らない仕事を担当することもしばしばあります。

システムエンジニア (開発エンジニア)の重要な役割として挙げられるのが、クライアントの要求を理解し、適切な仕様に落とし込むことです。技術力だけでなく、資料の読解力や説明能力も要求されます。仕様を設計書に取りまとめ、プログラマーに確実に伝えるための文章力も必要です。

システムエンジニア(開発エンジニア)は、クライアントと直接やり取りするため、コミュニケーション能力のある人に向いています。チームをまとめる役割もあり、マネジメント能力を問われることもあるなど、幅広い知識と能力を必要とする仕事です。

2.インフラエンジニア

インフラとは「基盤」「下部構造」を意味する単語です。ITを活用した各種サービスを下支えする基盤となる、ネットワークやサーバー、データベースなどITインフラの管理や設定を行うのがインフラエンジニアです。

ITインフラは原則として、24時間365日、止まることが許されません。インフラに不具合が起こると、企業経営に影響を及ぼす可能性があるほか、病院などでは人命にかかわることも考えられます。インフラエンジニアは、システムの安定稼働と、万一トラブルがあった際の迅速な復旧作業を担う、現代社会には欠かせない存在となっています。

3.クラウドエンジニア

最近では、企業や個人の間でクラウドサービスを利用する例が増えています。「インターネットを通じて、ネットワークでつながった特定の場所でデータを扱う手法」をクラウドと言いますが、このクラウド環境においてサーバーやネットワークなどの設計、構築から運用、保守までを行うのがクラウドエンジニアです。クラウド環境には、以下の3種類があります。

● パブリッククラウド
● プライベートクラウド
● ハイブリッドクラウド

パブリッククラウドは、システム運用に必要なインフラ環境をレンタルするもので、プライベートクラウドは、自社で運用する専用のクラウド環境です。ハイブリッドクラウドは、両者を併用するクラウド環境を指します。

企業や官庁でも、AWS(Amazon Web Services)などのパブリッククラウドを使うケースが多くなっているため、クラウドエンジニアにはパブリッククラウドに関する知識が必須です。加えて、最新のクラウド技術の動向をフォローしておくことも求められます。

調査会社のMM総研は、国内クラウドサービスの市場は2026年度には7兆4849億円と、2021年度の3兆5723億円から2倍以上に拡大すると推計しています。それに伴ってクラウドエンジニアの需要も伸長が予想され、将来性のある仕事だと言えそうです。

4.セールスエンジニア

セールスエンジニアは、名称から想像できるように、営業の側面も持つエンジニアのことです。クライアントに自社製品の導入を提案したり、導入された製品の運用をサポートしたりします。営業を主たる業務とするエンジニアであり、プリセールスと呼ばれることもあります。

クライアントと直接かかわりを持ち、製品の技術的な特徴を説明する仕事であり、利用者の生の声をフィードバックすることができる、やりがいのある仕事です。一定の技術力を持ちながら、クライアントとの円滑なコミュニケーションができる人に向いています。技術に詳しくないクライアント側担当者に対して、わかりやすく説明できるスキルも必要です。

営業と開発の双方に深い理解が必要な職種なので、まずはどちらかの職種を経験してみるのがよいでしょう。

5.セキュリティエンジニア

サイバー攻撃やコンピューターウイルスなどから、システムを守る重大な役割を担っているのがセキュリティエンジニアです。コンピューターウイルスに感染し、個人情報が漏洩したなどの事態があっては、企業の信頼が失墜し、経営的にも大きなダメージを負いかねません。

セキュリティエンジニアは、企業における情報防衛の最前線となるため、責任感が強い人に向いた仕事です。攻撃側は最新技術を駆使して、セキュリティの穴を狙ってきます。それに対抗するには、最先端の知識の吸収を常に続け、不断の改善を心掛ける姿勢も必要です。

社会全体でセキュリティへの関心が高まっていることもあり、セキュリティエンジニアの重要性と需要は伸びる一方であり、将来性も高い職種だと言えるでしょう。

6.ネットワークエンジニア

前述したインフラエンジニアのうち、ネットワーク関連に特化したエンジニアをネットワークエンジニアと呼びます。ネットワークの設計、構築をはじめとして、インターネットを十分に使いこなすために必要な、ルーターやロードバランサ―などのネットワーク機器の設定も、ネットワークエンジニアの仕事です。

ネットワークは、維持に費用がかかります。コスト管理の計画作成なども、ネットワークエンジニアの業務範囲です。

無線LANなどを通じて、あらゆるものをインターネットに接続させる「IoT(モノのインターネット)」化が進んでいます。ネットワークに関する知識とスキルを持ったネットワークエンジニアは、現代において不可欠の職種であり、今後もさらに需要が高まると予想されています。

ネットワーク関係の技術は進歩が早いため、ネットワークエンジニアは新しい知識を学び続けることが欠かせません。知的好奇心が旺盛で、地道な努力を続けられる人に向いた仕事だと考えられます。

7.WEBエンジニア

WEBサイトや、サイト上で使われるアプリケーションの開発を行うのが、WEBエンジニアです。運用や保守などに携わることもあり、業務内容が幅広いという特徴を持っています。ネットワークやセキュリティなど、WEB関連のインフラにかかわる知識と技術が必要とされることもあります。

WEBサイトやアプリケーションは、実際に使う利用者を意識して開発することが求められるため、マーケティングの知識もあった方がよいでしょう。

8.フロントエンドエンジニア

WEBサイトの中で、利用者から見える範囲の開発を担当するエンジニアを、フロントエンドエンジニアと呼びます。WEBサイトの外観上の表現や、アニメーション再生などが、代表的な業務範囲です。

近年のスマホの大幅な普及に伴い、WEBサイトをスマホ表示対応させるための、フロントエンドエンジニアの需要が高まっています。見た目にかかわる部分の開発であるため、デザインセンスや、使いやすいUI(ユーザー・インターフェース)に関する知識なども必要となる仕事です。

技術面では、PHPやJavaScriptなどの、WEBに特化したプログラミング言語を扱うことが多いという特徴を持ちます。

9.バックエンドエンジニア

前項で解説したフロントエンドエンジニアと対になる職種です。言葉のとおり、利用者の目には触れない、裏側の開発に当たります。具体的には、サーバーやデータベースなどインフラ部分を主に扱う仕事です。バックエンドで使われるプログラミング言語は、フロントエンドに比べて難度が高いものが多いとされます。

インフラエンジニアとの違いは、WEBに特化している点です。利用者からは見えない部分の仕事ですが、プログラミングのほか、データベースやサーバーについての深い知識も必要となる、WEBサービスを運用する上では極めて重要な仕事です。

10.データ基盤エンジニア

データを活用するための基盤を構築する職種が、データ基盤エンジニアです。単に「データエンジニア」と呼ばれたり、「基盤エンジニア」と呼ばれたりすることもあります。データの収集と分析をしやすくするように、生のデータを加工し、情報基盤の構築と運用を行うのが主な業務内容です。

データベースやクラウドサービスを利用して、データを整理するための基盤となるインフラを設計、構築します。AI(人工知能)に学習させるための「教師データ」の作成や、AIの運用もデータ基盤エンジニアの業務です。

データ基盤エンジニアには、データを扱うシステムに関する知識と、分散処理についての理解が必要だとされます。RDB(リレーショナルデータベース)の設計や、普及しているデータベース言語「SQL」、分散処理フレームワークである「Hadoop(ハドゥープ)」などの扱いは、身に付けておきましょう。

データ基盤に関する技術の進歩は急速であり、最新の技術動向を常にアップデートする努力が欠かせません。

まとめ: エンジニアの全体像を理解して転職に役立てましょう

本記事で解説してきたとおり、ITエンジニアには多くの職種があり、それぞれに違いがあります。どの分野にしても、関係するシステムについての理解と、プログラミングの能力は必須です。ITエンジニアへの転職を検討している場合は、幅広いITエンジニアの世界を理解して、どの分野を目指すのかを見定めることが重要です。

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