こんにちは、SB テクノロジー CX ユニットの岩永です!
前回までは
UI / UX
の概念や関連用語についてご説明してきました。
今回からは UX デザインプロセスについてご紹介させていただきます。
近年、「UX」という言葉、概念が一般に普及しています。しかし、その一方で「UX デザインプロセス」となるとよく知らない方が多いのではないでしょうか?
この記事では、UX デザインプロセスの概要と「調査・分析」のステップをメインに記載させていただきます。
また、UX デザインのプロセスは考え方が様々です。今回ご紹介するプロセスはその中の一例としてご認識いただけたらと思います。
はじめに、 UX デザインプロセスの概要を見ていきましょう。
UX デザインプロセスとは、目的を設定し、ユーザーの真のニーズを満たす体験価値を作るための一連の流れを体系化したものです。
UX デザインプロセスは、主に以下のようなフローをたどります。
各ステップの名称や細かい分類・粒度などは考え方によって様々ですが、主にこの5段階に分けることが可能です。
図中の矢印はプロセス実施のフローを示します。⑤から①へつなぐ矢印は、提供後にその後の評価を行いながら次のフェーズに向けた計画につなげることを意味します。④から①をつなぐ矢印は④の評価を通して必要なステップまで戻るケースや、①~③のいずれかで上手くいかない時にそれぞれのステップあるいは前のステップに戻って再実施するケースを意味しています。
また、デザインする対象のサービスやプロダクトの目的によってプロセスの変更が必要になります。
この後は①の「調査・分析」にフォーカスしてお話しさせていただきます。
まず初めに、調査のステップについて説明いたします。
このステップでは、実際に調査を実施するだけではなく、 UX デザインを実施する目的や方向性の確認から始め、調査の計画、調査の実施、調査結果のデータ化というフローをたどります。
目的や方向性の確認は別枠で事前に実施するケースもあります。
このステップでの目的は、調査対象者へのインタビューや観察などからユーザー体験を把握することです。
ただ行動を観察するだけではなく、ユーザーのその時の心理まで把握します。
UX デザインにとって、現段階のユーザーの状況を細かく把握することはとても重要です。調査対象者がユーザーであるケースが多いため、このステップは一般的に「ユーザー調査」と呼ばれています。
新しいサービスのデザインの場合も競合調査を実施し、それら競合のユーザー調査を実施します。
このステップでは主に以下のような手法を用います。
手法は他にも沢山存在しますが、まとめるとデータを数値として把握する方法(定量的調査と言います。)と映像や会話など通常数値では表現されないデータを把握する方法(定性的調査といいます。)の2パターンがあることを覚えておくと良いでしょう。
最適な調査を実施するためにも調査の目的は明確にしましょう。
SB テクノロジーでは、定性的調査の一つであるヒューリスティック調査(ヒューリスティック分析)を実施しています。以下の7カテゴリにおける独自の評価項目で Web サイトを評価します 。
次に、ユーザー調査の実施により得た情報を分析します。
分析によってユーザーが持つ真のニーズを導き出し、デザインが実現すべき体験価値を検討します。
また、これ以降のプロセスに必要なユーザーモデルもこのステップで作成します。
ユーザー調査で得た情報を基にユーザー情報のモデル化、要件化することをユーザーモデリングと呼びます。
得た情報をただ分析するのではなく、扱いやすい形に情報を整理することもこの段階で必要です。
分析にも様々な手法が存在します。適切な手法で分析することが、ユーザー自身が気づかない真のニーズを導き出す近道になります。
以下はこのステップで利用する代表的な手法です。
1種類の手法での調査・分析では情報が不十分な可能性もあります。
複数の手法で調査・分析する場合は、各手法の特徴を理解して目的に応じた組み合わせを考えることが大切です。
この記事では UX デザインプロセスの概要と「調査・分析」のステップについて記載させていただきました。
今回紹介した「調査・分析」の考え方、手法はあくまでも一例です。ただこの概念を当てはめるのではなく、それぞれのケースに合わせて最適化することが大切だと思います。
この記事を読んでいただいた方の理解の手助けになりましたら幸いです。
次回は UX デザインプロセスのコンセプトデザイン、プロトタイプについてご紹介します。
CX ユニットでは UI / UX / CX の改善や支援など行っています。ご相談がありましたら、是非お問い合わせください。
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